方針
曲線の長さなので,まずx(θ),y(θ)を微分して速さ(dx/dθ)2+(dy/dθ)2を求める。三角関数を整理すると速さは4sin(θ/2)になり,0≦θ≦2πでは非負なのでそのまま積分できる。(2)では0からθnまでの弧長を式にし,L/nと等置してsin(θn/4)=1/nへ変形する。最後はθn→0を確認し,sinu/u→1を用いる。
解答
(1) x=2cosθ−cos2θ,y=2sinθ−sin2θ とおく。微分すると dθdx=−2sinθ+2sin2θ であり,dθdy=2cosθ−2cos2θ である。したがって速さの2乗は(dθdx)2+(dθdy)2=4{(sin2θ−sinθ)2+(cosθ−cos2θ)2}=4{2−2(sin2θsinθ+cos2θcosθ)}=4(2−2cosθ)=8−8cosθ=16sin22θである。0≦θ≦2πではsin(θ/2)≧0だから,速さは 4sin2θ である。
よって曲線の全長は L=∫02π4sin2θdθ である。計算すると L=[−8cos2θ]02π=8+8=16 となる。したがって L=16 である。
(2) 0≦θ≦θnの部分の長さは∫0θn4sin2θdθ=[−8cos2θ]0θn=8(1−cos2θn)である。これがL/n=16/nに等しいので 8(1−cos2θn)=n16 となり,1−cos2θn=n2 である。
半角の公式より 1−cos2θn=2sin24θn であるから 2sin24θn=n2 となる。0≦θn≦2πより0≦θn/4≦π/2なので,sin4θn=n1 である。 n→∞のとき右辺は0へ近づくから,θn/4→0である。u=θn/4とおくと nθn=4nu=4sinuu である。ここでu→0のときsinu/u→1だから n→∞limnθn=4 である。
よって求める極限値は 4 である。
別解
解法2
方針
座標を複素数 z(θ)=2eiθ−e2iθ と表し、微分の絶対値から速さを一行で求める。(2)は 1−cosu の標準極限を使う。
解答
(1) z(θ)=2eiθ−e2iθと表すとz′(θ)=2ieiθ(1−eiθ).したがって速さは∣z′(θ)∣=2∣1−eiθ∣=4sin2θ(0≦θ≦2π).よってL=∫02π4sin2θdθ=16.(2)
0 から θn までの長さは∫0θn4sin2θdθ=8(1−cos2θn).これが 16/n に等しいから1−cos2θn=n2.(1)(1)より θn→0 である。un=θn/2 とおくとnun2=1−cosun2un2.u→0limu21−cosu=21を用いて nun2→4。θn=2un>0 だからn→∞limnθn=2n→∞limnun2=4.
総評
パラメータ表示された曲線の長さと,始点付近の弧長の極限を扱う問題。難度は標準上位で,目安時間は18分から22分程度。最大の計算ポイントは,速度の2乗を16sin2(θ/2)まで整理し,区間内でsin(θ/2)≧0であることを確認する点である。(2)では弧長条件を1−cos(θn/2)=2/nへ直し,さらにsin(θn/4)=1/nを得る流れが中心である。θn→0を述べてからsinu/u→1を使うと,極限計算の根拠が明確になる。
実座標微分と複素数表示の両方で速さを確認した。始点近くは弧長が θ2 の定数倍になる。
冊子PDFで見る京大の積分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1994年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。