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京都大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第5問

ABの2人が次のようなゲームを行う.
nを自然数とし,Aはそれぞれ0,1,2,,nと書かれた(n+1)枚の札をもっている.
Bはそれぞれ1,2,,nと書かれたn枚の札をもっているとする.
第1回目にBAの持札から1枚の札をとり,もし番号が一致する札があればその2枚の札をその場に捨てる.
番号が一致しない札はそのまま持ち続ける.
次にBに持札があればABの持札から1枚の札をとり,Bと同じことをする.
こうして先に札のなくなったほうを勝とする.
Aが勝つ確率をpnBが勝つ確率をqnとする.
ただし相手の札をとるとき,どの札も等しい確率でとるものとする.

(1) p1p2q1q2を求めよ.

(2) pn+qn=1(n+2)pnnpn2=1(n=3,4,5,)であることを示せ.

(3) pnを求めよ.

難易度9/ 10計算量7/ 10目安40

確率数列 条件付き確率、確率漸化式、場合分け、漸化式の変形

方針

0の札が相手へ移る枝は役割交換、正番号を引く枝は最初の2手で同番号2組を除いたn2のゲームになることを利用し、2段漸化式を解く。

解答

(1)

最初に B が0を引く確率は 1/(n+1) である。この枝では
0を持つ側と次の手番が入れ替わるため、以後 A が勝つ確率は
qn=1pn である。

正番号を引く確率は n/(n+1) である。B が同番号の2枚を捨て、
続く A の手でも必ず別の同番号2枚を捨てるので、残りは
添字が2小さい同じゲームになる。n=1,2 ではこの枝で B
の札がなくなり A は勝たない。したがってp1=12(1p1),p2=13(1p2).よってp1=13,q1=23,p2=14,q2=34.(2)

ゲームは確率1でどちらかの勝ちに終わるのでpn+qn=1.n3 では上の2つの枝からpn=1pnn+1+nn+1pn2.整理して(n+2)pnnpn2=1.(3)

偶数と奇数に分けて帰納するとp2m=m2m+2(m1),p2m+1=m+12m+3(m0).初期値 p1,p2 に一致し、漸化式へ代入すれば同じ偶奇の
次項が得られるので、すべての自然数 n で成立する。

最初の札による2つの縮約

別解

解法2

方針

2段漸化式を偶数列と奇数列へ分ける。左辺の係数を吸収した
新しい数列を置くと、どちらも「前項に1を足す」漸化式になる。

解答

(1)

n=1,2 のゲームを直接追うとp1=13,p2=14,q1=23,q2=34.(2)

最初に0を引く枝では役割が交換し、正番号を引く枝では2組を除いて
n2 のゲームになる。したがってpn=1pnn+1+nn+1pn2.また pn+qn=1 であり、n3 では(n+2)pnnpn2=1.(3)

偶数項についてUm=(2m+2)p2mとおく。漸化式からUm=1+2mp2m2=1+Um1.U1=4p2=1 だから Um=m。よってp2m=m2m+2.奇数項についてVm=(2m+3)p2m+1とおくとVm=1+(2m+1)p2m1=1+Vm1.V0=3p1=1 だから Vm=m+1。したがってp2m+1=m+12m+3.

総評

難度9、計算量7。札の移動により同じ状態へ戻る可能性があるため、単純な有限手数の木ではなく自己参照確率として扱う。0を引く枝の役割交換と正番号枝のn2への縮約を明示し、偶奇別一般項を再代入で検証した。 2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 京都大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験 後期 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。