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京都大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

行列(ab0a)で表される1次変換をfとする.
平面上の1点をP,原点をOとする.
OPfによる像をOQ
x軸に垂直で点Qを通る直線とx軸との交点をRとする.
POに一致しない範囲を動くとき,OROPの最大値が2,OQOPの最大値と最小値の比が3となるようにabの値を定めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

行列ベクトル ベクトル成分計算、範囲評価、計算整理

方針

P=(x,y) とおく。ORQx 座標だけで決まるので、まず一次式 ax+by の最大比から a2+b2=4 を得る。次に OQ2/OP2x,y の二次式の比として見て、値 λ が端の値になる条件を判別式で求める。平方比が 9 であることから a2,b2 を決定する。

解答

P=(x,y) とおく。行列の作用より Q=(ax+by,ay),R=(ax+by,0) である。したがってOROP=ax+byx2+y2である。

任意の (x,y)(0,0) に対して ax+bya2+b2x2+y2 であり、(x,y)(a,b) と同じ向きにとれば等号が成り立つ。よって最初の条件から a2+b2=4 を得る。

次にOQ2OP2=(ax+by)2+a2y2x2+y2を考える。この値を λ とすると、ある (x,y)(0,0) でその値をとることは (a2λ)x2+2abxy+(a2+b2λ)y2=0(x,y)(0,0) を解にもつことを意味する。端の値ではこの二次式がちょうど接するので (a2λ)(a2+b2λ)a2b2=0 となる。整理すると λ2(2a2+b2)λ+a4=0 である。

この二次方程式の大きい根を M、小さい根を m とすれば、OQ2/OP2 の最大値と最小値がそれぞれ M,m である。問題文では OQ/OP の最大値と最小値の比が 3 なので Mm=9 すなわち M=9m である。また根と係数の関係より M+m=2a2+b2,Mm=a4 である。したがって 10m=2a2+b2,9m2=a4 であり、最小値は正だから m=a2/3 である。よって 10a23=2a2+b2 となる。

これと a2+b2=4 を連立して a2=127,b2=167 を得る。条件は a,b の符号を変えても変わらないので a=±127,b=±167 である。符号はそれぞれ独立に選べる。

単位円の像と x 軸への射影

別解

解法2

方針

P を単位円上に置き、OQ22θ の三角関数に直す。
最大値と最小値は「中心値±振幅」となるので、比が3という条件を振幅と
中心値の比へ変換する。最初の条件 a2+b2=4 と連立する。

解答

P=(cosθ,sinθ) としてよい。まずOR=acosθ+bsinθの最大値は a2+b2 だからa2+b2=4である。

一方OQ2=(acosθ+bsinθ)2+a2sin2θ=a2+b22b22cos2θ+absin2θ.よって OQ2 の最大値・最小値はC+R,CR,ただしC=a2+b22,R=b44+a2b2である。長さの最大値と最小値の比が3なのでC+RCR=9,R=45C.s=a2 とおけば b2=4s でありC=2+s2,R2=(4s)(1+3s4).したがって(4s)(1+3s4)=1625(2+s2)2.整理すると91s272s144=(7s12)(13s+12)=0.s0 より s=12/7 である。ゆえにa2=127,b2=167.条件は符号に依存しないためa=±127,b=±167であり、2つの符号は独立に選べる。

総評

一次変換の伸縮率を二つの観点から読む問題。OR は一次式の最大値、OQ は二次式の比の最大最小として処理するのが本筋である。難度は高めで、目安時間は25分前後。OQ/OP の比をそのまま扱わず、平方して M/m=9 とする点、また最後に符号が自由であることを落とさない点が採点上の注意点である。 2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 京都大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第1問・理系 前期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。