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京都大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

各成分が0以上の整数である行列Aで,A3=Aをみたすものをすべて求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

行列 場合分け、計算整理、式変形

方針

2 次正方行列 AA=(abcd) とおいて扱う。A3=A を成分比較し,すべての成分が0以上の整数であることから,まず対角成分 a,d が0または1に限られることを示す。次に非対角成分の式から,bc>0 の場合と bc=0 の場合に分ける。bc>0 では a=d=0bc=1 まで絞られ,bc=0 では上三角・下三角・対角の場合を漏れなく列挙する。

解答

A2 次正方行列とし,A=(abcd)とおく。a,b,c,d は0以上の整数である。

まずA2=(a2+bcb(a+d)c(a+d)d2+bc)であるから,A3=A の各成分を比較すると a3+2abc+bcd=a b(a2+ad+bc+d21)=0 c(a2+ad+bc+d21)=0 abc+2bcd+d3=d である。

第1式の左辺は非負整数の和であるから,特に a3a である。よって a=0またはa=1 である。同様に第4式から d=0またはd=1 である。

まず bc>0 の場合を考える。このとき b,c は正の整数である。第2式または第3式より a2+ad+bc+d2=1 である。ここで bc1 であり,他の項はすべて0以上だから bc=1,a=d=0 でなければならない。したがって b=c=1 でありA=(0110)を得る。

次に bc=0 の場合を考える。 b=c=0 なら,A は対角行列であり,すでに a,d{0,1} と分かっている。よってA=(a00d)(a,d=0,1)である。 b>0c=0 の場合は,第2式から a2+ad+d2=1 である。a,d は0または1なので,これは (a,d)=(1,0),(0,1) に限られる。したがってA=(1b00)またはA=(0b01)(b=1,2,3,)である。

同様に b=0c>0 の場合はA=(10c0)またはA=(00c1)(c=1,2,3,)である。

以上をまとめると,求める行列は(0110)および(a00d)(a,d=0,1),さらに(1b00),(0b01),(10c0),(00c1)(b,c=1,2,3,)である。逆に,これらの行列は直接計算によりいずれも A3=A を満たす。

別解

解法2

方針

行列の各成分を有向グラフの「重み」とみなし、
A3 の対角成分が長さ3の道の重みの和になることを利用する。
非負性のため各項を個別に抑えられ、対角成分は0か1に限られる。
その後は bc>0、片方だけ正、両方0の3場合に分ける。

解答

A=(abcd),a,b,c,dZ0とする。A3=A の対角成分はa3+2abc+bcd=a,abc+2bcd+d3=d.左辺の各項は非負なので a3ad3d であり、a,d{0,1}.非対角成分はb{a2+ad+bc+d21}=0,c{a2+ad+bc+d21}=0.bc>0 なら中括弧は0である。すべて非負整数であるからbc=1,a=d=0,したがって b=c=1A=(0110).b=c=0 ならA=(a00d),a,d{0,1}.b>0,c=0 ならa2+ad+d2=1.a,d{0,1} より (a,d)=(1,0),(0,1) であり、A=(1b00)またはA=(0b01)(bZ>0).同様に b=0,c>0 ならA=(10c0)またはA=(00c1)(cZ>0).以上の行列は直接3乗すればすべて条件を満たす。

総評

非負整数成分という強い条件を使って,成分比較を分類に落とす問題である。難易度は7,計算量は6程度で,想定時間は25分前後。第1式と第4式から a,d を0または1に絞るところが最初の山である。その後は bc>0bc=0 の分岐を明確にし,特に b>0,c=0b=0,c>0 の無限族を漏らさないことが重要である。最後に列挙した行列が実際に条件を満たすことを確認すると,分類問題として完結する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

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出典: 京都大学 1996年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。