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京都大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

xy平面の原点Oを中心とし半径1の円C上に定点Aをとる.
同じ円上の点Xに対し,
平面上の点YOY=OA2(OAOX)OXで定める.
ただし,OAOXOAOXの内積である.
このとき

(1) OY=1であることを示せ.

(2) OY=OAとなる点Xをすべて求めよ.

(3)Xが円Cを1回まわるとき,点Yは同じ円を2回まわることを示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12

ベクトル図形と方程式 内積の利用回転・拡大軌跡

方針

円全体を回転しても内積や周回回数は変わらないので,OA=(1,0) とおいてよい。点 X(cosθ,sinθ) と表すと,定義式の内積は cosθ になり,OY=(cos2θ,sin2θ) と二倍角で整理できる。(1)は長さ,(2)は OA になる角,(3)は偏角が θ の2倍で進むことを確認する。

解答

円を回転して座標軸を取り直しても,内積,長さ,周回回数は変わらない。そこで OA=(1,0) としてよい。円 C 上の点 XOX=(cosθ,sinθ) とおく。

このとき OAOX=cosθ であるから,定義式よりOY=(1,0)2cosθ(cosθ,sinθ)=(12cos2θ,2sinθcosθ)=(cos2θ,sin2θ)である。

(1)

上の表示から OY2=cos22θ+sin22θ=1 である。よって OY=1 である。

(2) OY=OA=(1,0) となるための条件は cos2θ=1,sin2θ=0 すなわち cos2θ=1,sin2θ=0 である。したがって 2θ0(mod2π) より,円周上の点としては θ=0,π である。よって求める点 X は,点 A と,点 A の対蹠点である。

(3) OY=(cos2θ,sin2θ)=(cos(2θ+π),sin(2θ+π))である。点 X が円 C を1回まわるとき,θ は長さ 2π だけ増える。このとき Y の偏角 2θ+π は長さ 4π だけ増える。したがって点 Y は同じ円 C を2回まわる。

別解

解法2

方針

定義式を、OAOX 方向成分だけを反転する線形変換と読む。
平行成分と垂直成分に分解すれば長さが保存される。(2)は反転後が
OA になる反転軸を決め、(3)は反転軸の方向角が
θ 進むと像の方向角が 2θ 進むことを幾何的に追う。

解答

a=OAu=OX とおく。a=u=1 である。
au に平行な成分と垂直な成分に分けてa=(au)u{a(au)u}と書く。定義されたベクトルはOY=(au)u{a(au)u}であり、平行成分の符号だけを変えたものである。

(1)

2成分は直交するからOY2=(au)2a(au)u2=a2=1.(2)OY=a なら、定義式からa=(au)u.よって au は平行である。
単位ベクトルであることからu=aまたはu=a.逆にどちらも定義式を満たす。したがって XA またはその対蹠点である。

(3)

上の変換は、u に垂直な直線に関する鏡映である。
OA の方向角を αOX の方向角を θ とすると、
鏡映軸の方向角は θ+π/2 なので像の方向角は2(θ+π2)α=2θ+πα.θ2π 増える間にこの角は 4π 増える。
よって Y は円を同じ向きに2周する。

総評

内積の式を座標化すると二倍角に落ちる問題である。難易度は5,計算量は4程度で,想定時間は12分前後。A=(1,0) としてよい理由を最初に述べると,その後の計算が読みやすい。(2)では θ=0,π が同じ条件から出ること,(3)では偏角が 2θ+π であり,X が1周する間に Y が2周することを明確に書くのが採点上の要点である。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

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出典: 京都大学 1996年度 前期 文系・理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。