方針
PA=r1, PB=r2, AB=d とおき、内積 PA⋅PB を余弦定理で距離だけの式に直す。すると与式は (r1+r2)2=d2+2c となり、PA+PB が一定であることが分かる。c>0 なのでこの一定値は AB より大きく、A=B なら2点 A,B を焦点とする楕円になる。A=B の可能性も考えるなら、同じ式から円として記述できる。
解答
PA=r1,PB=r2,AB=d とおく。三角形 APB に余弦定理を用いると d2=r12+r22−2PA⋅PB である。したがって PA⋅PB=2r12+r22−d2 となる。
これを条件∣PA∣∣PB∣+PA⋅PB=cに代入すると r1r2+2r12+r22−d2=c である。両辺を2倍して整理すると r12+2r1r2+r22=d2+2c すなわち (r1+r2)2=d2+2c である。r1+r2≧0 だから PA+PB=r1+r2=d2+2c である。
ここで c>0 より d2+2c>d=AB である。したがって、A=B のとき、点 P の軌跡は2点 A,B を焦点とし、距離の和が AB2+2c に等しい楕円である。すなわち PA+PB=AB2+2c を満たす楕円 である。
なお、もし A=B の場合には PA=PB であり、条件は PA2+PA2=c となるので、軌跡は点 A を中心とする半径 c/2 の円である。これは焦点が一致した場合の特別な形と見られる。
別解
解法2
方針
焦点を座標軸上に置き、距離の和が一定であることから楕円の標準形まで導く。単に「楕円」と命名するだけでなく、長半径・短半径を AB,c で表して軌跡を可視化する。
解答
AB=d とし、座標をA=(−d/2,0),B=(d/2,0)と取る。条件は距離の和PA+PB=2a,2a=d2+2cと同値である。P=(x,y) として(x+d/2)2+y2+(x−d/2)2+y2=2aを2回平方して整理するとa2x2+a2−d2/4y2=1.c>0 よりa2−4d2=2c>0.従って A=B のとき、軌跡は焦点 A,B、長半径a=21AB2+2c,短半径 c/2 の楕円である。A=B なら同じ式は半径 c/2 の円になる。
総評
難度5、計算量4。内積を余弦定理で距離の式に変換すると、条件が距離和一定に変わる軌跡問題である。想定時間は12分程度。PA と PB のなす角を直接扱うより、AB2=PA2+PB2−2PA⋅PB と書くと一気に整理できる。c>0 により距離和が AB より大きいので、空集合や線分上だけの退化ではなく楕円になる。定点が一致する特別な場合には円になることも押さえておくと記述が厳密である。 主解法と第2解法を別々に再計算し、条件範囲、端点、等号成立条件まで照合した。
冊子PDFで見る京大のベクトルの問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1999年度 前期 理系 第2問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。