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京都大学 2000年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第3問

xy平面上の点でx座標,y座標がともに整数である点を格子点という.

(1) 格子点を頂点とする三角形の面積は12以上であることを示せ.

(2) 格子点を頂点とする凸四角形の面積が1であるとき,この四角形は平行四辺形であることを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

ベクトル論証・証明 座標設定面積計算、存在証明

方針

(1) 座標による三角形の面積公式を用い、面積の2倍が0でない整数になることを示す。(2) 面積 1/2 の格子三角形が作る二つの整数ベクトルを格子の基底として、第四頂点の係数を決定する。

解答

(1) 三角形の頂点をA(x1,y1),B(x2,y2),C(x3,y3)とする。その面積を T とすると2T=(x2x1)(y3y1)(x3x1)(y2y1).右辺は整数であり、三角形は退化していないので0ではない。従って 2T1、すなわちT12である。

(2) 凸四角形の頂点を反時計回りに A,B,C,D とする。対角線 AC は四角形を二つの格子三角形 ABC,ACD に分ける。(1)より各面積は 1/2 以上であり、和が1だから、どちらも面積 1/2 である。u=AB,v=ACとおき、向きを選んで det(u,v)=1 とする。この行列式が1であるため、任意の格子ベクトルは u,v の整数係数で一意に表せる。従ってAD=ru+sv(r,s は整数)と書ける。

三角形 ACD の面積が 1/2 で、D は辺 AC に関して B と反対側にあるからdet(v,AD)=1.左辺は r なので r=1 である。また対角線 BD で分けても二つの三角形の面積はともに 1/2 だから、三角形 ABD についてdet(u,AD)=1.左辺は s なので s=1 である。よってAD=u+v=BC.従って ADBC かつ AD=BC であり、この四角形は平行四辺形である。

別解

解法2(単位面積の整数基底)

方針

(1) は2辺ベクトルの行列式が0でない整数であることを使う。
(2)では2本の対角線で分割される4個の格子三角形がすべて面積 1/2
であると示し、面積 1/2 の三角形が作る整数基底で頂点を座標化する。

解答

(1)
3点を A,B,C とする。面積は[ABC]=12det(AB,AC).行列式は整数であり、3点が三角形を作るなら0ではない。従って絶対値は
1以上で、面積は 1/2 以上である。

(2)
凸四角形の頂点を順に A,B,C,D とする。対角線 AC は四角形を
ABCACD に分ける。各面積は(1)より
少なくとも 1/2、和は1だから、両方とも 1/2 である。
対角線 BD についても同様に[ABD]=[BCD]=12.A を原点としu=AB,w=ACとおく。[ABC]=1/2 なので det(u,w)=1 であり、
u,w は整数格子の基底になる。従ってAD=ru+sw(r,sZ)と一意に書ける。向きを det(u,w)=1 と選ぶ。
凸性から D は有向辺 ACB と反対側にあるので r=1
また [ABD]=1/2 より s=1、凸性から s=1 である。
従ってAD=u+w.ゆえにAB+AD=u+(u+w)=w=AC.すなわち対角線が互いの中点で交わるから、四角形 ABCD
平行四辺形である。

総評

難度6、計算量4。第(2)問では面積の下限だけでなく、等号により各三角形の行列式が (pm1) になることを使う。 答案では結論だけでなく、等号・端点・定義域を明示し、各変形の根拠が追える構成にした。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。

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出典: 京都大学 2000年度 後期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。