方針
(1) 座標による三角形の面積公式を用い、面積の2倍が0でない整数になることを示す。(2) 面積 の格子三角形が作る二つの整数ベクトルを格子の基底として、第四頂点の係数を決定する。
解答
(1) 三角形の頂点をとする。その面積を とすると右辺は整数であり、三角形は退化していないので0ではない。従って 、すなわちである。
(2) 凸四角形の頂点を反時計回りに とする。対角線 は四角形を二つの格子三角形 に分ける。(1)より各面積は 以上であり、和が1だから、どちらも面積 である。とおき、向きを選んで とする。この行列式が1であるため、任意の格子ベクトルは の整数係数で一意に表せる。従ってと書ける。
三角形 の面積が で、 は辺 に関して と反対側にあるから左辺は なので である。また対角線 で分けても二つの三角形の面積はともに だから、三角形 について左辺は なので である。よって従って かつ であり、この四角形は平行四辺形である。
別解
解法2(単位面積の整数基底)
方針
(1) は2辺ベクトルの行列式が0でない整数であることを使う。
(2)では2本の対角線で分割される4個の格子三角形がすべて面積
であると示し、面積 の三角形が作る整数基底で頂点を座標化する。
解答
(1)
3点を とする。面積は行列式は整数であり、3点が三角形を作るなら0ではない。従って絶対値は
1以上で、面積は 以上である。
(2)
凸四角形の頂点を順に とする。対角線 は四角形を
と に分ける。各面積は(1)より
少なくとも 、和は1だから、両方とも である。
対角線 についても同様に を原点としとおく。 なので であり、
は整数格子の基底になる。従ってと一意に書ける。向きを と選ぶ。
凸性から は有向辺 の と反対側にあるので 、
また より 、凸性から である。
従ってゆえにすなわち対角線が互いの中点で交わるから、四角形 は
平行四辺形である。
総評
難度6、計算量4。第(2)問では面積の下限だけでなく、等号により各三角形の行列式が (pm1) になることを使う。 答案では結論だけでなく、等号・端点・定義域を明示し、各変形の根拠が追える構成にした。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。