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京都大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

a=(1,0,0)b=(cos60,sin60,0)とする.

(1) 長さ1の空間ベクトルcに対し,cosα=accosβ=bcとおく.
このとき次の不等式(*)が成り立つことを示せ.

(*) cos2αcosαcosβ+cos2β34

(2) 不等式(*)を満たす(α,β) (0α180,0β180)
範囲を図示せよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 内積の利用座標設定、範囲評価

方針

c=(x,y,z) とおき、cosαcosβx,y で表す。左辺は 3(x2+y2)/4 に簡約され、c=1 から不等式が従う。(2)では X=cosαY=cosβ として楕円形の不等式 X2XY+Y23/4 を得るだけで止めず、0α,β180cos が単調減少することを使い、境界線を α,β 平面上の直線として表す。

解答

(1) c=(x,y,z) とおく。c=1 であるから x2+y2+z2=1 である。

また a=(1,0,0),b=(12,32,0) なので cosα=ac=x であり、cosβ=bc=12x+32y である。したがってcos2αcosαcosβ+cos2β=x2x(12x+32y)+(12x+32y)2=34x2+34y2=34(x2+y2)である。x2+y2x2+y2+z2=1 だから cos2αcosαcosβ+cos2β34 が成り立つ。

(2) X=cosα,Y=cosβ とおく。求める範囲は 1X1,1Y1,X2XY+Y234X=cosαY=cosβαβ 平面に移したものである。

境界をより具体的に書く。固定した α に対して、Y について解くと Y2(cosα)Y+cos2α340 である。判別式は cos2α4(cos2α34)=3sin2α であり、0α180 では sinα0 である。よってcosα3sinα2cosβcosα+3sinα2すなわち cos(α+60)cosβcos(α60) である。 0β180cosβ は単調減少するから、図示すべき範囲はα60β{α+60(0α120),300α(120α180)である。したがって αβ 平面では、4直線β=60α,β=α60,β=α+60,β=300αで囲まれる部分を描けばよい。頂点は(0,60),(60,0),(180,120),(120,180)である。

別解

解法2(グラム行列式)

方針

a,b,c のグラム行列が半正定値であること、すなわち
3本のベクトルの内積から作る行列式が非負であることを用いる。
得られる楕円領域を余弦の加法定理で (α,β) の直線境界へ戻す。

解答

(1) X=cosα=ac,Y=cosβ=bcとおく。a=b=c=1 かつab=cos60=1/2 である。
3本のベクトルのグラム行列は半正定値なのでdet(11/2X1/21YXY1)0.行列式を展開すると34X2+XYY20,すなわちX2XY+Y234を得る。これが(1)である。

固定した α に対して Y=cosβ の範囲を求めるとcos(α+60)cosβcos(α60).(2)0β180 で余弦は狭義単調減少するため、範囲はα60β{α+60(0α120),300α(120α180)となる。したがって領域は(0,60), (60,0), (180,120), (120,180)を頂点とする四角形である。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安は20分。前半は内積計算そのものより、cosβ=(x+3y)/2 を代入したあと交差項が消えて 3(x2+y2)/4 になることが核心である。後半の図示では、X,Y 平面の不等式で止めると答案として弱い。cos の単調性を使って αβ 平面の4本の直線境界まで落とすと、採点者が図を一意に読める。角度を度数法で扱う点にも注意する。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。

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出典: 京都大学 2000年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。