方針
(1) は左辺から右辺を引き、 という正の積にする。(2)では が の並べ替えであることを使う。(1)は「小さい添字に大きい値がある反転」を入れ替えると和が小さくなることを示しているので、最小は のときである。最後はを で より小さく評価し、望む下限を得る。
解答
(1)
示すべき不等式の左辺から右辺を引く。すると である。 かつ正の実数だから である。また かつ正の実数だから であり、したがって である。よって差は正であり、求める不等式が成り立つ。
(2) は互いに相異なり、しかもすべて 以上 以下の自然数である。したがって、これらは の並べ替えである。
和を考える。もし なのに となっている箇所があれば、, , , として(1)を適用できる。するとである。つまり、反転している2つを入れ替えると、和 は小さくなる。
この操作を反転がなくなるまで繰り返すと、最終的には となる。したがって任意の並べ替えに対してである。右辺はである。
あとはを示せばよい。 の項は である。 では だから である。よって のときである。 の場合はこの尾部がないので、以下の評価はさらに明らかに成り立つ。
したがってすべての についてである。以上よりとなる。すなわちである。
別解
解法2
方針
(1) の交換則を帰納的に使い、値 を第 項へ移すと和が増えないことから最小配置を構成する。残る逆数和は との比較で2項ずつ望遠的に消し、必要な定数より強い評価を得る。
解答
(1)
左辺から右辺を引くとである。両因子が正なので不等式が従う。
(2)
は の順列である。値 が位置 にあるとし、位置 の値を とする。(1)を に適用すると、 を交換した方がは小さくなる。これを繰り返して とし、同じ操作を に施すと では従ってよって
総評
難度6、計算量5。誘導付きの並べ替え不等式で、(1)は単なる前座ではなく、(2)で反転を解消するための交換法そのものである。想定時間は20分程度。 が の並べ替えであることを明記し、反転 を入れ替えると和が小さくなる、と説明できれば最小配置 が自然に出る。最後の分数和は厳密な値を求める必要はなく、 で望ましい粗さに評価するのが試験的には効率的である。 主解法と第2解法を別々に再計算し、条件範囲、端点、等号成立条件まで照合した。