方針
両辺に log2 を掛けた差を F(x,y) とおく。固定した y に対して F が x の増加関数であることを示し、条件 x≧y から x=y に帰着する。
解答
自然対数を log と書き、与えられた不等式の左辺から右辺を引いて log2 を掛けた量をF(x,y)=(x+y−1)log(x+y)−(x−1)logx−(y−1)logy−ylog2とおく。
y≧1 を固定して x で微分すると∂x∂F=log(x+y)+1−x+y1−(logx+1−x1)=log(1+xy)+x1−x+y1>0.従って F(x,y) は x について増加する。条件 x≧y よりF(x,y)≧F(y,y).ここでF(y,y)=(2y−1)log(2y)−2(y−1)logy−ylog2=(y−1)log2+logy≧0である。最後の不等式は y≧1 による。
従って F(x,y)≧0 であり、log2>0 だから、もとの不等式(x+y−1)log2(x+y)≧(x−1)log2x+(y−1)log2y+yが成立する。
別解
解法2(比 x/y による二段階単調性)
方針
底を自然対数へ変え、x=uy (u≧1) と置く。
差を y の一次関数として整理すると y について単調増加であることが分かる。
そこで y=1 に帰着し、残る1変数関数も微分で処理する。
解答
両辺の差に loge2 を掛けたものを F(x,y) とする。
x=uy (u≧1) とおいて整理するとF(uy,y)=logy+{y(u+1)−1}log(u+1)−(uy−1)logu−ylog2.u を固定して y で微分すれば∂y∂F=y1+(u+1)log(u+1)−ulogu−log2.u≧1, y≧1 であり、(u+1)log(u+1)−ulogu−log2≧0である。実際、左辺は u=1 で log2>0、その導関数は
log(1+1/u)>0 である。従って F(uy,y) は y について増加し、F(uy,y)≧F(u,1).G(u)=F(u,1)=ulog(u+1)−(u−1)logu−log2とおくと G(1)=0 であり、G′(u)=log(1+u1)+u(u+1)1>0.よって G(u)≧0、従って F(x,y)≧0 である。
loge2>0 なので、これは元の底2の不等式と同値である。
等号は u=y=1、すなわち x=y=1 のときに限る。
総評
難度6、計算量4。二変数のまま扱わず、大きい方の変数 (x) に関する単調性で対角線 (x=y) へ落とすと短く証明できる。 答案では結論だけでなく、等号・端点・定義域を明示し、各変形の根拠が追える構成にした。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。
冊子PDFで見る京大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2000年度 後期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。