方針
α=cosθ+isinθ とおき、∣αm+α−m∣=2∣cosmθ∣ に帰着する。m=1,2,3 のいずれかで必ず 1 を超えることを示す。
解答
α=cosθ+isinθ とおく。このときαm+α−m=2cosmθであるから、示すべきことは∣cosmθ∣>21となる自然数 m の存在である。
まず ∣cosθ∣>1/2 なら m=1 でよい。以下∣cosθ∣≦21とする。余弦の絶対値は周期 π をもつので、θ を π の整数倍だけ変えて3π≦θ≦32πとしてよい。この範囲では−1≦cos2θ≦−21である。従って、θ=π/3,2π/3 なら∣cos2θ∣>21なので m=2 でよい。
残る θ=π/3,2π/3 の場合は∣cos3θ∣=1>21であるから m=3 でよい。
以上により、常に m=1,2,3 のいずれかが条件を満たし、∣αm+α−m∣>1となる自然数 m が存在する。
別解
解法2(2倍角・3倍角の代数的分類)
方針
α=eiθ とおき、c=cosθ に対する
cos2θ=2c2−1、cos3θ=4c3−3c を使う。
m=1,2 で条件を満たさない場合を代数的に絞ると、m=3 で必ず満たす。
解答
∣α∣=1 より、ある実数 θ を用いてα=cosθ+isinθと書ける。このときαm+α−m=2cosmθ.c=cosθ とおく。
∣2c∣>1 なら m=1 でよい。以下 ∣c∣≦1/2 とする。cos2θ=2c2−1であるから、∣2cos2θ∣>1 なら m=2 でよい。
これも成り立たないと仮定すると∣2c2−1∣≦21.∣c∣≦1/2 と合わせるとc2=41でなければならない。実際、後者の不等式は c2≧1/4 を与える。
そこで3倍角の公式を使うとcos3θ=4c3−3c=c(4c2−3)=−2c,従って∣α3+α−3∣=2∣cos3θ∣=4∣c∣=2>1.ゆえに m=1,2,3 のいずれかが必ず条件を満たす。
総評
難度5、計算量3。極形式に直した後、等号となる端点を落とさず (m=3) で処理することが要点である。 答案では結論だけでなく、等号・端点・定義域を明示し、各変形の根拠が追える構成にした。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。
冊子PDFで見る京大の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2000年度 後期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。