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京都大学 2000年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第5問

xy平面において座標軸に平行な直線x=mおよびy=n (m=0,1,2,n=0,1,2)で表される道路網がある.
原点(0,0)からみてx軸の正の方向が東,y軸の正の方向が北であるものとする.
ABの2人が同時にそれぞれ(2,2)(0,0)から出発して道路を進む.
Aの速さとBの速さは等しく,両者は各交差点において独立に進行方向を次のように決める.

Aは確率pで南,確率1pで西に進む.

Bは確率qで北,確率1qで東に進む.

ただし,0p10q1とする.このとき

(1) 2人が出会う確率f(p,q)を求めよ.

(2) q0q12の範囲で与えられたとき,
f(p,q)が最大となるpの値,およびその最大値M(q)qを用いて表せ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

確率関数 独立性の利用、数え上げ微分による最大最小、場合分け

方針

二人の座標和を時刻で追い、出会えるのは出発2単位時間後だけと分かる。その時点の南進回数と北進回数を二項分布で数え、得られた p の二次式を区間上で最大化する。

解答

(1) 出発後 t 単位時間において、A の座標和は 4tB の座標和は t である。従って二人が出会えるのは4t=tすなわち t=2 のときだけである。

最初の2回で A が南へ進む回数を SB が北へ進む回数を N とする。時刻2での座標はA=(S,2S),B=(2N,N)なので、出会う条件は S+N=2 である。独立性よりf(p,q)=(1p)2q2+{2p(1p)}{2q(1q)}+p2(1q)2=(16q+6q2)p2+(4q6q2)p+q2.(2) fp の二次関数とみる。端点ではf(0,q)=q2,f(1,q)=(1q)2であり、0q1/2 では f(1,q)f(0,q) である。

二次係数をA=16q+6q2とする。放物線が上に凸の場合、最大値は端点 p=1 でとる。下に凸の場合の頂点はp=q(23q)6q6q21.この頂点が区間 [0,1] に入るのは q1/3 のときである。実際、p=1q=1/3 で起こり、1/3<q1/2 では 0<p<1 となる。

従って、最大にする p と最大値 M(q)q の範囲pM(q)0q131(1q)213<q12q(23q)6q6q213q2(1q)26q6q21である。q=1/3 では二つの式はいずれも p=1, M=4/9 を与える。

別解

解法2(確率母関数と平方完成)

方針

2歩後の南進回数・北進回数の確率母関数を作り、
積の z2 の係数として出会う確率を一度に取り出す。
得られた p の二次式を平方完成し、頂点が区間に入る境界を調べる。

解答

(1)
時刻 tA の座標和は 4tB の座標和は t だから、
出会える時刻は t=2 だけである。

2歩で A が南へ進む回数 S の確率母関数は{(1p)+pz}2,B が北へ進む回数 N の確率母関数は{(1q)+qz}2である。時刻2に出会う条件は S+N=2 なので、積の z2 の係数を
取ればf(p,q)=(1p)2q2+4p(1p)q(1q)+p2(1q)2=(16q+6q2)p2+(4q6q2)p+q2.(2)
0q1/2 とする。端点ではf(0,q)=q2,f(1,q)=(1q)2,従って大きい方は p=1 である。二次係数が負のときの頂点はp=q(23q)6q6q21.平方完成、または 0p1 を直接解くと、この頂点が
区間に入るのは 1/3q1/2 のときである。
q=1/3 では p=1 で端点と一致する。

従ってq の範囲pM(q)0q131(1q)213<q12q(23q)6q6q213q2(1q)26q6q21である。

総評

難度8、計算量7。出会える時刻が一意であることを先に示すと確率計算が有限になる。最大化では二次係数の符号だけでなく、頂点が (0leqq pleqq1) に入る境界 (q=1/3) を確認する。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。

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出典: 京都大学 2000年度 後期 文系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。