方針
各色について「その色が一度でも出たら1、出なければ0」となる指示変数を置く。色の種類数は3個の指示変数の和であり、各期待値は「一度も出ない」余事象から求める。
解答
青・赤・白について、それぞれ一度でも取り出されたとき1、そうでないとき0となる確率変数を XB,XR,XW とする。取り出された色の種類数を X とすればX=XB+XR+XW.青が1回の試行で出ない確率は (b+c)/N であり、各試行は独立だから、n 回とも青が出ない確率は(Nb+c)n.従ってE[XB]=1−(Nb+c)n.同様にE[XR]=1−(Nc+a)n,E[XW]=1−(Na+b)n.期待値の加法性よりEn=E[X]=E[XB]+E[XR]+E[XW]=3−(Na+b)n−(Nb+c)n−(Nc+a)n.これで示された。
別解
解法2(種類数の尾確率を足す)
方針
種類数 X は1,2,3のいずれかなので
E[X]=P(X≧1)+P(X≧2)+P(X≧3) を用いる。
X≧2 と X=3 を余事象・包除原理で計算すると単色項が消える。
解答
取り出された色の種類数を X とする。n≧1 ではE[X]=P(X≧1)+P(X≧2)+P(X≧3)である。まず P(X≧1)=1 である。
1色しか出ない確率はP(X=1)=(Na)n+(Nb)n+(Nc)nだからP(X≧2)=1−(Na)n−(Nb)n−(Nc)n.3色すべてが出る確率は、少なくとも1色が出ない事象に包除原理を用いてP(X=3)=1−(Na+b)n−(Nb+c)n−(Nc+a)n+(Na)n+(Nb)n+(Nc)n.以上を足すと単色だけの3項が消え、En=3−(Na+b)n−(Nb+c)n−(Nc+a)nを得る。
総評
難度4、計算量3。想定時間は10分程度。色数そのものの分布を場合分けするより、各色の出現を0・1で数えると短い。期待値の加法性には各色の出現事象の独立性は不要であり、同じ色が一度も出ない確率を求める段階だけ試行の独立性を使う。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、端点・等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。
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出典: 京都大学 2001年度 後期 数学 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。