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京都大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

nkは整数で,n20k4とする.
サイコロをn回投げて出た目の和を5で割ったときの余りがkに等しくなる確率をpn(k)とする.

(1) pn+1(0),,pn+1(4)pn(0),,pn(4)を用いて表せ.

(2) pn(0),,pn(4)の最大値をMn,最小値をmnとするとき次の(イ),(ロ)が成立することを示せ.

(イ) mn15Mn

(ロ) 任意のkl (0k,l4)に対し
pn+1(k)pn+1(l)16(Mnmn)

(3) limnpn(k)を求めよ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

確率数列 確率漸化式状態分類、はさみうち

方針

出目を5で割った余りで分類する。サイコロの目 1,2,3,4,5,6 は余り 1,2,3,4,0,1 なので、余り1だけが2通りある。このため pn+1(k) は全確率の和1に pn(k1) を余分に足した形で (1+pn(k1))/6 と書ける。最大値と最小値については、平均が 1/5 であることと、差が次の回で6分の1以下に縮むことを示す。最後は Mnmn0 と全確率の和1から各 pn(k) の極限を決める。

解答

(1)
以下、添字は5で割った余りとして読むことにする。サイコロの目 1,2,3,4,5,6 を5で割った余りは 1,2,3,4,0,1 である。したがって、和の余りが k になるには、直前の余りがそれぞれ k1,k2,k3,k4,k,k1 であればよい。よって pn+1(k)=2pn(k1)+pn(k2)+pn(k3)+pn(k4)+pn(k)6 である。

また pn(0)+pn(1)+pn(2)+pn(3)+pn(4)=1 であるから、上式は pn+1(k)=1+pn(k1)6 とも書ける。具体的にはpn+1(0)=1+pn(4)6,pn+1(1)=1+pn(0)6,pn+1(2)=1+pn(1)6,pn+1(3)=1+pn(2)6,pn+1(4)=1+pn(3)6である。

(2)
(イ)
5つの確率の和は1であるから、その平均は pn(0)+pn(1)+pn(2)+pn(3)+pn(4)5=15 である。最大値を Mn、最小値を mn とすれば、平均は最小値以上、最大値以下である。したがって mn15Mn である。

(ロ)
(1)の簡略形より、任意の k,l に対してpn+1(k)pn+1(l)=1+pn(k1)61+pn(l1)6=pn(k1)pn(l1)6である。pn(k1)Mnpn(l1)mn だから pn(k1)pn(l1)Mnmn である。よって pn+1(k)pn+1(l)16(Mnmn) が成り立つ。

(3) pn+1(k) の最大値をとる添字を k0、最小値をとる添字を l0 とする。(2)(ロ)をこの k0,l0 に適用すると Mn+1mn+1=pn+1(k0)pn+1(l0)16(Mnmn) である。したがって 0Mnmn(16)n2(M2m2) となり、Mnmn0 である。

常に mnpn(k)Mn であり、また(2)(イ)より mn15Mn である。Mnmn0 だから、はさみうちにより pn(k)15 である。よって limnpn(k)=15 である。

別解

解法2(一様分布からの偏差)

方針

1/5 からの偏差 qn(k)=pn(k)1/5 を直接追う。
漸化式が偏差を6分の1に縮めながら添字を巡回させるため、
明示式が得られ、極限は直ちに分かる。

解答

(1)
出目の余りは 1,2,3,4,0,1 なので、全確率の和が1であることを使うとpn+1(k)=1+pn(k1)6である。ただし添字は5を法として読む。

(2)
偏差qn(k)=pn(k)15を導入する。するとqn+1(k)=1+pn(k1)615=16(pn(k1)15)=16qn(k1).また5個の確率の平均が 1/5 だからmn15Mn.偏差の漸化式から任意の k,l についてpn+1(k)pn+1(l)=16{pn(k1)pn(l1)}16(Mnmn)も得られる。

(3)
偏差の漸化式を繰り返せばqn(k)=(16)n1q1(k(n1)),ただし添字は5を法として読む。

q1(0),,q1(4) は固定された有限個の数だから、qn(k)(16)n1max0j4q1(j)0.従って各 k=0,1,2,3,4 についてlimnpn(k)=15.さらにMn15=maxkqn(k),15mn=minkqn(k)も0へ収束するため、標準解答の最大値・最小値による評価とも一致する。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中4。目安は18分から22分。余り1がサイコロの目1と6の2通りあることを反映して、pn+1(k)=(1+pn(k1))/6 に簡約するのが最重要である。(2)(ロ)は絶対値ではなく片側不等式として問われているため、最大値と最小値の定義をそのまま使えばよい。(3)では最大値と最小値の幅が毎回6分の1以下になることを示し、5つの確率の平均が常に 1/5 であることと合わせる。添字を5で割った余りとして扱う約束を明記すると、答案が読みやすい。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。

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出典: 京都大学 2000年度 前期 理系 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。