方針
中心を P=(x,y) と置くと、円の半径は OP=x2+y2 である。円が帯 −1≦Y≦1 からはみ出さないためには、中心から上下の境界までの距離の小さい方、すなわち 1−∣y∣ が半径以上であることが必要十分である。これを2乗して x2+2∣y∣≦1 に直し、上下対称な放物線状の領域として面積を積分する。
解答
中心を P=(x,y) とおく。円 C は中心が P で原点 O を通るので、その半径は OP=x2+y2 である。
領域 D は帯状領域 −1≦Y≦1 である。円全体がこの帯に含まれるためには、円が上の直線 Y=1 にも下の直線 Y=−1 にもはみ出さなければよい。中心 (x,y) から上の境界までの距離は 1−y、下の境界までの距離は 1+y である。
したがって必要十分条件は x2+y2≦1−y かつ x2+y2≦1+y である。これはまとめて x2+y2≦1−∣y∣ と書ける。この右辺が0以上であることから、特に ∣y∣≦1 も含まれる。
両辺は0以上なので2乗して x2+y2≦(1−∣y∣)2 である。右辺を展開すると (1−∣y∣)2=1−2∣y∣+y2 だから x2+2∣y∣≦1 を得る。すなわち ∣y∣≦21−x2 であり、このためには −1≦x≦1 である。
したがって P の動きうる範囲は、x 軸に関して対称で、上側の境界が y=21−x2 下側の境界が y=−21−x2 である領域である。面積は∫−11{21−x2−(−21−x2)}dx=∫−11(1−x2)dxである。よって [x−3x3]−11=34 となる。
したがって面積は 34 である。
別解
解法2(水平断面で面積を積分する)
方針
円が帯から出ない条件を x2+2∣y∣≦1 まで求める。
その後は y を固定し、許される x の幅を
21−2∣y∣ として水平断面を積分する。
解答
中心を P=(x,y) とすると、円の半径はr=x2+y2である。円が帯 −1≦Y≦1 に含まれるための必要十分条件はr≦1−y,r≦1+y.すなわちx2+y2≦1−∣y∣である。両辺を2乗して整理するとx2+2∣y∣≦1.y を固定すると、動ける x の範囲は−1−2∣y∣≦x≦1−2∣y∣であり、∣y∣≦1/2 である。上下対称性を使えば面積 A はA=2∫01/221−2ydy=4[−31(1−2y)3/2]01/2=34.したがって求める面積は 34 である。
総評
難度5、計算量4。円が帯に含まれる条件を、中心から境界までの距離で表せるかが核心である。採点上は、半径が OP であること、上下両方の境界までの距離を考えて 1−∣y∣ が出ること、2乗して x2+2∣y∣≦1 に整理することを明確に書く必要がある。図示では上下対称な放物線にはさまれた領域として示せばよい。目安は15分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、端点・等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。
冊子PDFで見る京大の図形と方程式の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2001年度 前期 数学 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。