方針
外接円の半径が1なので、辺の長さを , , と表す。すると辺の2乗和は になり、恒等式 により と整理できる。(1) は積が正なら三角形が鋭角であることを示す。(2) は鈍角・直角の場合と鋭角の場合に分け、鋭角の場合は固定した に対する の上限から積を 以下に抑える。
解答
(1) 三角形 の内角をそれぞれ とする。外接円の半径が1であるから、正弦定理より である。したがって である。
ここで、三角形の角について が成り立つ。実際、 として加法定理で整理すれば得られる恒等式である。よって である。
(1) 仮定より だから、上の式から である。
三角形の内角のうち、鈍角または直角は高々1つである。もし1つが鈍角なら、その余弦は負で、残り2つの余弦は正なので積は負になる。もし1つが直角なら積は0になる。いずれも上の正の条件に反する。したがって3つの余弦はすべて正であり、 である。よって は鋭角三角形である。
(2) まず が鋭角三角形でない場合を考える。このとき少なくとも1つの余弦が0以下で、残りの余弦の積を考えても である。したがって である。
次に が鋭角三角形の場合を考える。このとき はすべて正である。 よりである。 だから となる。よってである。 とおき、 とすれば である。等号は のときである。したがって であり、 が示された。
等号が成り立つには、上の不等式で等号がすべて成り立つ必要がある。すなわち である。前者より 、後者より である。さらに だから となる。したがって等号成立は 、すなわち3点 が円に内接する正三角形の頂点である場合に限る。
別解
解法2
方針
円の中心を原点とし、3点の位置ベクトルを単位ベクトルで表す。
(1) は鋭角でない場合の対偶を、最長辺と直径2から示す。
(2) は3辺の2乗和を3本の位置ベクトルの和の長さへ変形すると、
非負性だけで上界9と等号条件が同時に得られる。
解答
(1)
が鋭角でないと仮定し、最長辺を とする。
余弦定理より、対角 が直角または鈍角であることからまた半径1の円の弦なので 。よって対偶により、3辺の2乗和が8より大きければ三角形は鋭角である。
(2)
円の中心を原点とし、 の位置ベクトルを
とする。いずれも長さ1であるから等号は のときに限る。
このときの両辺の長さを比較して を得る。
循環的に他の内積も となるため、3つの中心角はすべて
、すなわち は正三角形である。逆も明らかなので、
等号成立は3点が正三角形の頂点をなす場合に限る。
総評
難度は10段階中6、計算量は5。目安時間は17分。解法1は本番答案として再現しやすい標準方針、解法2は構造を別方向から確認する方針である。
(1) は対偶なら最長辺と直径だけで短く示せる。(2) はベクトル恒等式を使うと上界と等号条件が同時に得られ、正三角形への逆向きも明確になる。
採点では、必要条件だけで止めず十分性・端点・小問番号を明示する。積分・総和・極限は独立行、分数は読みやすい表示寸法に統一し、問題固有の図は論理を補助する位置に置いた。