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京都大学 2002年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

各面が鋭角三角形からなる四面体 ABCD において,辺 AB と辺 CD は垂直ではないとする.
AB を含む平面 α に点 C,D から下ろした垂線の足をそれぞれ C,D とするとき,
4点 A,B,C,D がすべて相異なり,しかも同一円周上にあるように
α がとれることを示せ.

難易度8/ 10計算量3/ 10目安23

図形と方程式論証・証明 回転・拡大円の性質、存在証明

方針

A,B を結ぶ方向を第1座標軸とし、その垂直平面内の単位ベクトル e
射影平面 α を表す。射影点 C,D の平面座標を
(c,u),(d,v) と書けば、4点が共円である条件は1本の連続方程式になる。
eC の垂直成分に直交する向きから D の垂直成分に直交する向きまで動かし、
両端で符号が逆になることを示す。

解答

AB=1 となるよう尺度を取り、A=(0,0),B=(1,0),C=(c,u),D=(d,v)と表す。太字部分は AB に垂直な2次元平面内のベクトルである。
ABC,ABD は鋭角三角形だから、C,D から AB への垂線の足は
線分 AB の内部にある。よって0<c<1,0<d<1.また四面体は退化していないので u,v は平行でない。

AB を含む平面 α を、その AB に垂直な単位方向ベクトル
e で表す。α 内で A=(0,0),B=(1,0) と座標を取るとC=(c,u),D=(d,v),u=ue,v=ve.A,B を通る円の方程式は、ある実数 λ を用いてx2+y2x+λy=0と書ける。したがって C,D もこの円上にあるための必要十分条件はF(e)=(c2+u2c)v(d2+v2d)u=0.(*)AB に垂直な平面で向きを固定し、90度回転を J とする。e0=Juu,e1=Jvvと取る。Δu,v の向き付き面積とすると
Δ0 である。e0 では u=0 かつ
v=Δ/u だからsgnF(e0)=sgnΔである。一方、e1 では v=0 かつ
u=Δ/v だからsgnF(e1)=sgnΔ.単位円上で e0 から e1 へ連続に動かすと、
F も連続に変化する。中間値の定理により () を満たす
e が存在する。

この零点では u=0 なら (c2c)v=0 となって不可能であり、
同様に v0 でもある。ゆえに A,B,C は一直線上にならず、
共円は退化しない。さらに 0<c,d<1 から C,DA,B と異なる。
仮定 AB⊥̸CDcd と同値なので CD でもある。
以上により、題意を満たす平面 α が存在する。

別解

解法2

方針

AB を軸として射影平面を回し、射影点から AB を見る有向角の差を考える。
ABC に垂直な平面と面 ABD に垂直な平面では差の符号が逆になる。
鋭角条件で端点の射影位置を制御し、連続性と円周角の定理の逆で存在を得る。

解答

AB を含む平面を連続的に回転させる。まず平面 α0
ABC と垂直に取る。このとき CC から AB へ下ろした垂線の足であり、
ABC が鋭角なので AB の内部にある。したがって
A,C,B はこの順に一直線上に並ぶ。

同様に、面 ABD と垂直な平面 α1 では D
AB の内部にある。射影点が AB 上にない途中の平面で、
AB に対する2つの有向円周角の差Φ(α)=ACBADBを連続に選ぶ。α0 側と α1 側では、
一方だけが平角へ近づくため Φ の符号が逆になる。
よって中間値の定理により途中で Φ(α)=0 となる平面が存在する。
円周角の定理の逆から、その平面では A,B,C,D は同一円周上にある。

鋭角条件により C,DAB 方向の座標は両端 A,B の間にあるので、
A,B とは一致しない。また C=D なら、C,D の差は
α の法線方向となって CDAB となり、仮定に反する。
したがって4点はすべて相異なる。

総評

難度は10段階中8、計算量は3。目安時間は23分。解法1は本番答案として再現しやすい標準方針、解法2は構造を別方向から確認する方針である。

存在証明では連続量を具体的な共円条件 F(e)=0 として置くと厳密になる。最後に4点の相異性と円の非退化を、鋭角条件と AB⊥̸CD から個別に確認する。

採点では、必要条件だけで止めず十分性・端点・小問番号を明示する。積分・総和・極限は独立行、分数は読みやすい表示寸法に統一し、問題固有の図は論理を補助する位置に置いた。

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出典: 京都大学 2002年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。