方針
二つの漸化式を an+2bn の平方としてまとめる。共役な式も同時に使えば、(1)は積、(2)は和と差から明示できる。
解答
(1) 漸化式からan+1+2bn+1=(an+2bn)2,an+1−2bn+1=(an−2bn)2.両式を掛けるとan+12−2bn+12=(an2−2bn2)2.初期値では a12−2b12=9−8=1 だからan2−2bn2=1である。
(2) m=2n−1 とおくと、平方を繰り返してan+2bn=(3+22)m,an−2bn=(3−22)m.U=(3+22)m,V=(3−22)m と書けばbnan=2U−VU+V.ここでUV=(3+223−22)m⟶0だからn→∞limbnan=2.
別解
解法2
方針
(1) は漸化式へ直接代入して不変量を確認する。
(2) は比 rn=an/bn の漸化式を作り、
2 との差が毎回少なくとも半分以下になることを示す。
共役な無理数のべき展開を使わない収束証明である。
解答
(1) an+12−2bn+12=(an2+2bn2)2−2(2anbn)2=(an2−2bn2)2.初期値は a12−2b12=1 なので、帰納的にan2−2bn2=1.(2)
an,bn は正である。rn=an/bn とおくとrn+1=2rnrn2+2.(1) より rn2>2、すなわち rn>2 である。またrn+1−2=2rn(rn−2)2<21(rn−2).よって正の差 rn−2 は0へ収束する。したがってn→∞limbnan=2.
総評
難度は10段階中5、計算量は4。目安時間は14分。解法1は本番答案として再現しやすい標準方針、解法2は構造を別方向から確認する方針である。
(1) の不変量は必ず初期値1まで確認する。(2) は共役べきの比が0へ行く方法と、比の漸化式で 2 との差を縮める方法の両方で収束先を保証できる。
採点では、必要条件だけで止めず十分性・端点・小問番号を明示する。積分・総和・極限は独立行、分数は読みやすい表示寸法に統一し、問題固有の図は論理を補助する位置に置いた。
冊子PDFで見る京大の数列の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2002年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。