方針
対数の差を指数に戻して an−1an を求める。得られた積は連続する因子が約分されるので、an を簡単な分数で表す。最後は部分分数分解で和を望ましい形にし、n=1 でも式が合うことを確認する。
解答
条件より、n≧2 に対して logan−logan−1=log(n−1)−log(n+1) である。左辺と右辺をそれぞれまとめると logan−1an=logn+1n−1 となる。an>0 なので対数を外して an−1an=n+1n−1 を得る。 a1=1 から順に掛け合わせると、n≧2 についてan=1⋅31⋅42⋅53⋯n+1n−1=n(n+1)2.この式は n=1 のときも 1⋅22=1 となり、a1=1 と一致する。したがってすべての n≧1 で an=n(n+1)2 である。
よってk=1∑nak=k=1∑nk(k+1)2=2k=1∑n(k1−k+11)=2(1−n+11)=n+12n.
別解
解法2(保存量を作る)
方針
漸化式の両辺に n(n+1) を掛けると一定になる量が見つかる。一般項を積で表さず、そのまま部分分数へ進む。
解答
条件(ii)と正値性からan−1an=n+1n−1(n≧2)である。両辺を整理するとn(n+1)an=n(n−1)an−1.したがってbn=n(n+1)anとおけばbn=bn−1.初項はb1=1⋅2⋅a1=2なので、すべての n≧1 でan=n(n+1)2=2(n1−n+11).よって中間項が相殺されk=1∑nak=2k=1∑n(k1−k+11)=2(1−n+11)=n+12n.
総評
難度4、計算量3。目安時間は7〜10分。採点ポイントは、対数の差を an−1an の式に戻すこと、積を並べて an=n(n+1)2 まで約分すること、和を部分分数分解で望ましい形にすることです。
誤りやすいのは、an の式を n≧2 だけで出した後、n=1 の確認を忘れることです。答案は、比、一般項、和の3段階で書けば十分です。計算量は少ないものの、対数を外すには an>0 が与えられていることも一言触れると、処理が丁寧になります。
第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を再確認する。図は式変形の役割と条件の使いどころを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。
冊子PDFで見る京大の数列の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2003年度 前期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。