方針
2階差の不等式を、隣り合う差 の狭義単調増加に直す。差が負なら列は下がり、正なら列は上がるので、最小値は差の符号が負から正へ変わる場所にだけ現れる。差が0になる添字は高々1つであり、その場合だけ隣り合う2項が同時に最小になる。端点で最小になる場合も、差の符号列として同じ枠組みで処理する。
解答
とおく。与えられた条件 は すなわち を意味する。したがって である。
このことから、差 の符号の並びは、負のものが先に並び、その後に必要なら0が1つだけ現れ、最後に正のものが並ぶ形に限られる。実際、 となった後で となることは、 に反する。また狭義増加なので、 となる添字は高々1つである。
差がすべて正なら であり、最小値をとるのは だけである。差がすべて負なら であり、最小値をとるのは だけである。
途中で符号が変わる場合を考える。ある について となるなら、列は まで減少し、その後増加する。したがって最小値をとるのは だけである。
一方、ある について となるなら、列は まで減少し、 より で、その後増加する。したがって最小値をとるのは の2つだけである。 や の端の場合も同じく、最小値をとる項は隣り合う2つである。
以上より、 となる の個数は1または2である。
別解
解法2(離れた最小項を仮定する背理法)
方針
最小値をとる添字が2つ以上離れて存在すると仮定し、差
の狭義単調増加と矛盾させる。
隣接する2項がともに最小となる可能性だけが残り、3項以上は不可能だと結論する。
解答
とおく。条件はと同値である。すなわち、差の列は狭義単調増加する。
最小値を とし、 で であるとする。
もし なら なら、差は狭義単調増加するので上の和は正となり矛盾する。
一方 ならとなり、 が最小値であることに反する。したがって、最小値をとる
2つの添字が存在するなら、それらは隣り合わなければならない。
また差の列は狭義単調増加するため、 となる は高々1つである。
よって同じ最小値が3項以上連続することもない。有限個の実数
は少なくとも1つ最小値をもつから、最小値をとる項の個数はである。
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中3。目安は12分から15分。ポイントは、2階差の不等式をそのまま扱わず、 の狭義増加に翻訳することである。最小値の個数は、差の符号が負から正へ移る場所だけで決まる。ありがちな誤りは「和が0だから負と正が混じる」とだけ述べて、途中の項が最小値を下回る矛盾を示さないこと。端点で最小になる場合と、隣接2項が等しい場合まで分けて書けば答案として安定する。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。