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京都大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

実数abcに対してf(x)=ax2+bx+cとする.
このとき11(1x2){f(x)}2dx611{f(x)}2dxであることを示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

積分方程式・不等式 定積分評価不等式評価、計算整理

方針

f(x)=ax2+bx+c をそのまま代入し,左右の積分を a,b,c で表す。[1,1] 上では奇関数の積分が消えるため,x の奇数乗を含む項を落として整理できる。最後は右辺から左辺を引き,(a+3c)2+2b2 の形の平方和になることを示せばよい。不等式の証明なので,差が非負であることと等号条件まで確認する。

解答

f(x)=ax2+bx+c とすると f(x)=2ax+b である。まず左辺を計算する。(1x2){f(x)}2=(1x2)(2ax+b)2=(1x2)(4a2x2+4abx+b2). [1,1] で奇関数の積分は 0 になるので,4abx(1x2) の積分は消える。したがって11(1x2){f(x)}2dx=4a211(x2x4)dx+b211(1x2)dx=4a2(2325)+b2(223)=1615a2+43b2.次に右辺を計算する。{f(x)}2=(ax2+bx+c)2=a2x4+b2x2+c2+2abx3+2acx2+2bcx.ここでも奇関数の項の積分は消えるから,611{f(x)}2dx=6(a225+b223+c22+2ac23)=125a2+4b2+12c2+8ac.よって右辺から左辺を引くと611{f(x)}2dx11(1x2){f(x)}2dx=(1251615)a2+(443)b2+8ac+12c2=43a2+83b2+8ac+12c2=43{(a+3c)2+2b2}.これは常に 0 以上である。したがって 11(1x2){f(x)}2dx611{f(x)}2dx が成り立つ。なお等号は a+3c=0 かつ b=0 のときに起こる。

別解

解法2(偶関数部分と奇関数部分を分ける方法)

方針

f(x)=g(x)+h(x)g(x)=ax2+ch(x)=bx と偶関数部分・奇関数部分に分ける。対称区間では偶関数と奇関数の積の積分が0になるので、示すべき差も g の寄与と h の寄与に分離する。それぞれを計算すると平方と正の項になる。

解答

g(x)=ax2+ch(x)=bx とおくと、g は偶関数、h は奇関数であり、f=g+h,f=g+hである。g は奇関数、h は偶関数だから、対称区間 [1,1] では交差項の積分が消える。したがって611{f(x)}2dx11(1x2){f(x)}2dx=[611g(x)2dx11(1x2)g(x)2dx]+[611h(x)2dx11(1x2)h(x)2dx].まず g(x)=ax2+cg(x)=2ax なので611g(x)2dx11(1x2)g(x)2dx=43(a+3c)2.また h(x)=bxh(x)=b なので611h(x)2dx11(1x2)h(x)2dx=83b2.よって全体の差は43{(a+3c)2+2b2}0である。これが求める不等式である。等号は a+3c=0 かつ b=0 のときに限る。

総評

係数計算型の不等式証明で,想定時間は12分から15分,難易度は5,計算量は4程度。[1,1] の対称性で奇関数項が消えることを使うと計算がかなり短くなる。採点上は,左右を別々に計算したあと,差を (a+3c)2+2b2 の平方和へ落とすところが中心である。途中で小数や近似を使う必要はなく,分数係数を丁寧に保つことがミス防止になる。

冊子PDFで見る京大の積分の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2008年度 前期 数学(文系学部)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。