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京都大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験(数学理系乙)理系(乙)数学 第6問

ab を互いに素な正の整数とし,さらに a は奇数とする.
正の整数 n に対して整数 an,bn(a+b2)n=an+bn2をみたすように定めるとき,次を示せ.
ただし,2 が無理数であることは証明なしに用いてよい.

(1) a2 は奇数であり,a2b2 は互いに素である.

(2) すべての n に対して,an は奇数であり,anbn は互いに素である.

難易度8/ 10計算量6/ 10目安28

整数数列論証・証明 数学的帰納法、偶奇性、素因数分解、背理法、合同式

方針

(1)a2=a2+2b2b2=2ab を直接使う。(2)の奇偶は an+1=aan+2bbn から帰納する。互いに素でないと仮定し、共通の素数 p を取る。共役との積から pa22b2 を得る。b の逆数に相当する剰余 ubua(modp) で定めると u22(modp)。二項展開をこの合同式で整理すると、同じ式が一方では0、他方では (2a)n0 となる矛盾を導く。

解答

(1) 展開するとa2=a2+2b2,b2=2abである。a は奇数だから a2 は奇数で、2b2 は偶数である。よって a2 は奇数である。

a2,b2 が1より大きい公約数をもつと仮定し、その素因数を p とする。a2 は奇数なので p は奇数である。pb2=2ab より pa または pb である。pa なら pa2=a2+2b2 から pb となり、pb なら同様に pa となる。いずれも a,b が互いに素であることに反する。したがって a2,b2 は互いに素である。

(2) an+1=aan+2bbn,bn+1=ban+abnである。a1=a は奇数であり、an が奇数なら aan は奇数、2bbn は偶数だから an+1 も奇数である。数学的帰納法により、全ての nan は奇数である。

次に、ある nan,bn が1より大きい公約数をもつと仮定し、その素因数を p とする。an は奇数なので p は奇数である。共役を掛けるとan22bn2=(a22b2)nであるから pa22b2 である。pb を割るならこの合同式から pa となり矛盾するので、pb を割らない。

そこで bua(modp) を満たす整数 u をとることができる。a22b2(modp) よりu22(modp).(a+b2)n=an+bn2 の二項展開で、2 の代わりに u を入れ、u22(modp) を用いて偶数乗と奇数乗を整理すると(a+bu)nan+bnu(modp).仮定より右辺は0である。一方 bua(modp) だから左辺は(a+bu)n(2a)n(modp).pa なら pb となってしまうので pa も割らず、p は奇数である。したがって (2a)np で割り切れず、矛盾する。よって an,bn は全ての n で互いに素である。

総評

難度8、計算量6。想定時間は28分程度。奇偶性は漸化式で直ちに帰納できるが、互いに素の証明が本体である。共通素因数 p を仮定し、共役との積で a22b2(modp) を引き出す。bua を満たす剰余 u を導入する箇所では、pb を先に確認する必要がある。最後は二項展開を実際に同じ偶数乗・奇数乗へ分けられることを説明し、抽象的な代数を使わず矛盾まで閉じる。

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出典: 京都大学 2009年度 前期 数学(理系(乙))(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。