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京都大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験(文系)文系数学 第5問

座標空間内で,O(0,0,0)A(1,0,0)B(1,1,0)C(0,1,0)
D(0,0,1)E(1,0,1)F(1,1,1)G(0,1,1)を頂点にもつ立方体を考える.

(1) 頂点Aから対角線OFに下ろした垂線の長さを求めよ.

(2) この立方体を対角線OFを軸にして回転させて得られる回転体の体積を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

ベクトル積分 座標設定体積計算、範囲評価

方針

(1) は点 A から直線 OF への距離を,OF 方向への射影を引いて求める。(2) は軸 OF に垂直な平面 x+y+z=s で立方体を切り,各断面を軸のまわりに回転してできる円板の半径を調べる。半径は断面内の点から軸までの距離の最大値であり,断面の形が 0s11s22s3 で変わるので3区間に分けて積分する。

解答

(1) 対角線 OF の方向ベクトルは u=(1,1,1) である。点 A=(1,0,0) から直線 OF に下ろした垂線の長さを求める。 Au 方向への射影の長さの2乗は (Au)2u2=123=13 である。また A2=1 だから,点 A から直線 OF までの距離の2乗は 113=23 である。よって求める長さは 23=63 である。

(2) 立方体内の点を (x,y,z) とし,s=x+y+z とおく。対角線 OF(0,0,0) から (1,1,1) へ向かう直線であり,s は軸方向の位置を表す量である。0x,y,z1 より 0s3 である。

平面 x+y+z=sOF に垂直である。OF 方向の単位ベクトルは (1,1,1)/3 なので,sds だけ変化するときの軸方向の厚さは ds3 である。

(x,y,z) から軸 OF までの距離の2乗は,原点からの距離の2乗から軸方向成分の2乗を引いて ρ2=x2+y2+z2(x+y+z)23=x2+y2+z2s23 である。断面は軸上の点 (s/3,s/3,s/3) を含む凸図形なので,その断面を回転すると,半径が断面内での最大距離である円板になる。

s について最大となる点を調べる。 0s1 のとき,断面は3点 (s,0,0),(0,s,0),(0,0,s) を頂点とする三角形である。これらの頂点で ρ2=s2s23=23s2 となり,これが最大である。 1s2 のとき,断面は例えば (1,s1,0),(s1,1,0),(1,0,s1) などを頂点とする六角形である。いずれの頂点でも x2+y2+z2=1+(s1)2 なので ρ2=1+(s1)2s23=22s+23s2 となる。 2s3 のとき,断面は3点 (1,1,s2),(1,s2,1),(s2,1,1) を頂点とする三角形である。頂点で x2+y2+z2=2+(s2)2 だから ρ2=2+(s2)2s23=23(3s)2 である。

したがって回転体の体積 VV=π3{0123s2ds+12(22s+23s2)ds+2323(3s)2ds}である。それぞれ0123s2ds=29,12(22s+23s2)ds=59,2323(3s)2ds=29であるからV=π3(29+59+29)=π3=3π3である。

体対角線に垂直な中央断面

s=x+y+z を固定した断面は、s=1,2 を境に三角形・六角形・三角形へ変化する。

総評

目安時間は30分前後。(1) は射影で短く処理できるが,(2) は京大らしく空間把握と積分設定が重い。採点上は,x+y+z=s で切る理由,厚さが ds/3 になる理由,各断面の最大半径を3区間で出す理由を省かないことが重要である。特に断面の面積を積分する問題ではなく,断面を軸のまわりに回してできる円板の半径を積分する問題である点を取り違えやすい。

冊子PDFで見る京大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2010年度 前期 数学(文系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。