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京都大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験(文系)文系数学 第4問

Oを中心とする正十角形において,ABを隣接する2つの頂点とする.
線分OB上にOP2=OBPBを満たす点Pをとるとき,OP=ABが成立することを示せ.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安18

三角関数図形と方程式 三角比の利用円の性質、式変形

方針

示したい等式を半径 OB で割り,AB/OBOP/OB が同じ正の数であることを示す。OP 側は条件 OP2=OBPB からすぐ2次方程式になる。AB 側は正十角形の中心角が 36 であることから AB/OB=2sin18 と表し,三倍角の公式を使って同じ2次方程式を満たすことを示す。

解答

R=OB とおき,u=ABR とする。正十角形の隣り合う2頂点 A,B に対して,中心角は AOB=36010=36 である。したがって弦の長さより AB=2Rsin18 なので u=2sin18 である。

ここで s=sin18 とおく。318=54 であり,sin54=cos36 である。三倍角の公式と二倍角の公式を使うと 3s4s3=12s2 となる。これを整理すると 4s32s23s+1=0 である。左辺は 4s32s23s+1=(s1)(4s2+2s1) と因数分解できる。s=sin181 だから 4s2+2s1=0 である。u=2s より u2+u1=0 を得る。

次に v=OPR とおく。点 P は線分 OB 上にあるから PB=OBOP=RvR=(1v)R である。条件 OP2=OBPB を代入すると (vR)2=R(1v)R であり,R>0 だから v2=1v すなわち v2+v1=0 である。 u=AB/Rv=OP/R も正であり,同じ2次方程式 t2+t1=0 を満たす。この方程式の正の解は1つだけであるから u=v である。

したがって ABOB=OPOB であり,OB>0 より OP=AB が成り立つ。

正十角形の黄金三角形

COA, BC=AB=s と取ると相似から s2=OB(OBs)P は同じ長さ比を満たす。

別解

方針

正十角形の中心と隣接2頂点が作る三角形の角は36,72,72 である。辺上に同じ形の小三角形を作って相似比から AB2=OB(OBAB) を導き、点 P の条件と一致させる。

解答

R=OA=OBs=AB とおく。正十角形の中心角よりAOB=36,OAB=OBA=72である。

線分 OA 上に BC=BA=s となる点 C を取る。三角形
ABCBA=BC の二等辺三角形で、COA より
BAC=72 である。したがってACB=72,ABC=36.またOBC=OBACBA=36だから、三角形 OBC は二等辺三角形でOC=BC=s,AC=Rsとなる。

三角形 ABC と三角形 OAB は、それぞれの角が
36,72,72 なので相似である。対応する辺からABOA=ACAB,sR=Rssを得る。すなわちs2=R(Rs).一方、p=OP とおくと PB=Rp であり、問題の条件はp2=R(Rp)である。s,p はともに 0<t<R にある方程式t2=R(Rt)の解である。左辺は狭義増加、右辺は狭義減少だから、この範囲の解は
ただ1つである。よって p=s、すなわちOP=ABが成り立つ。

総評

目安時間は18分前後。条件から OP/OB が満たす方程式を作るだけでは不十分で,正十角形の辺長 AB/OB も同じ方程式を満たすと示すのが核心である。三倍角の使い方,s1 を除く理由,最後に「正の解は1つ」と確認する点が採点ポイントになる。黄金比型の式 t2+t1=0 が両側から現れる構造を意識すると見通しがよい。

冊子PDFで見る京大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2010年度 前期 数学(文系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。