方針
示したい等式を半径 OB で割り,AB/OB と OP/OB が同じ正の数であることを示す。OP 側は条件 OP2=OB⋅PB からすぐ2次方程式になる。AB 側は正十角形の中心角が 36∘ であることから AB/OB=2sin18∘ と表し,三倍角の公式を使って同じ2次方程式を満たすことを示す。
解答
R=OB とおき,u=RAB とする。正十角形の隣り合う2頂点 A,B に対して,中心角は ∠AOB=10360∘=36∘ である。したがって弦の長さより AB=2Rsin18∘ なので u=2sin18∘ である。
ここで s=sin18∘ とおく。3⋅18∘=54∘ であり,sin54∘=cos36∘ である。三倍角の公式と二倍角の公式を使うと 3s−4s3=1−2s2 となる。これを整理すると 4s3−2s2−3s+1=0 である。左辺は 4s3−2s2−3s+1=(s−1)(4s2+2s−1) と因数分解できる。s=sin18∘=1 だから 4s2+2s−1=0 である。u=2s より u2+u−1=0 を得る。
次に v=ROP とおく。点 P は線分 OB 上にあるから PB=OB−OP=R−vR=(1−v)R である。条件 OP2=OB⋅PB を代入すると (vR)2=R⋅(1−v)R であり,R>0 だから v2=1−v すなわち v2+v−1=0 である。 u=AB/R も v=OP/R も正であり,同じ2次方程式 t2+t−1=0 を満たす。この方程式の正の解は1つだけであるから u=v である。
したがって OBAB=OBOP であり,OB>0 より OP=AB が成り立つ。
正十角形の黄金三角形
C∈OA, BC=AB=s と取ると相似から s2=OB(OB−s)。P は同じ長さ比を満たす。
別解
方針
正十角形の中心と隣接2頂点が作る三角形の角は36∘,72∘,72∘ である。辺上に同じ形の小三角形を作って相似比から AB2=OB(OB−AB) を導き、点 P の条件と一致させる。
解答
R=OA=OB、s=AB とおく。正十角形の中心角より∠AOB=36∘,∠OAB=∠OBA=72∘である。
線分 OA 上に BC=BA=s となる点 C を取る。三角形
ABC は BA=BC の二等辺三角形で、C∈OA より
∠BAC=72∘ である。したがって∠ACB=72∘,∠ABC=36∘.また∠OBC=∠OBA−∠CBA=36∘だから、三角形 OBC は二等辺三角形でOC=BC=s,AC=R−sとなる。
三角形 ABC と三角形 OAB は、それぞれの角が
36∘,72∘,72∘ なので相似である。対応する辺からOAAB=ABAC,Rs=sR−sを得る。すなわちs2=R(R−s).一方、p=OP とおくと PB=R−p であり、問題の条件はp2=R(R−p)である。s,p はともに 0<t<R にある方程式t2=R(R−t)の解である。左辺は狭義増加、右辺は狭義減少だから、この範囲の解は
ただ1つである。よって p=s、すなわちOP=ABが成り立つ。
総評
目安時間は18分前後。条件から OP/OB が満たす方程式を作るだけでは不十分で,正十角形の辺長 AB/OB も同じ方程式を満たすと示すのが核心である。三倍角の使い方,s−1 を除く理由,最後に「正の解は1つ」と確認する点が採点ポイントになる。黄金比型の式 t2+t−1=0 が両側から現れる構造を意識すると見通しがよい。
冊子PDFで見る京大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2010年度 前期 数学(文系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。