方針
点 を原点とし、他の頂点への3ベクトルを一次独立な とする。中心候補 が4頂点から等距離になる条件を3本の連立一次方程式へ変える。係数行列が正則であることから解の存在と一意性を示し、その解を中心とする球面を構成する。
解答
点 を原点に移して考える。これは平行移動であり、球面の存在には影響しない。とおく。 は四面体であるから、 は同一平面上にない。
球面の中心を表すベクトルを とする。球面が を通るなら、半径の2乗は である。さらに も通るためには が必要十分である。左辺を展開すると だから である。同様に、 も通るための条件は である。
したがって、次の3条件を満たす が存在すればよい。ここで直交座標を1つ固定し、 の成分を未知数とみる。
上の3式の係数行列は、行ベクトルが である
行列である。四面体の4頂点は同一平面上にないから
は一次独立であり、この係数行列の行列式は0でない。
したがって、右辺に対して連立一次方程式はただ1つの解 をもつ。これで中心の候補が
実際に存在することと、その一意性が同時に示された。
この を中心、 を半径とする球面を考えると、上の条件から である。したがって、この球面は をすべて通る。よって四面体の4つの頂点を同時に通る球面が存在する。
別解
解法2
方針
辺 の垂直二等分面を考える。最初の2平面の共通部分は1本の直線であり、
四面体の非退化性からこの直線は第3の平面と平行でない。したがって3平面は1点で交わる。
その交点が4頂点から等距離であることを用いて外接球を構成する。
解答
の垂直二等分面上の点は と から等距離にある。同様に、、 の垂直二等分面を考える。四面体では の3方向が同一平面上にないため、これら3つの垂直二等分面は1点で交わる。その交点を とすると が同時に成り立つ。よって を中心、 を半径とする球面は をすべて通る。
3つの垂直二等分面の交点 は4頂点から等距離にある。
総評
外接球の存在を示す証明問題で、計算よりも「中心はどんな条件を満たすか」を言語化する力が問われる。ベクトル解法では、 を内積の一次条件に直すところが核心である。四面体であることは、 が同一平面上にないこと、すなわち中心を決める3条件が空間内の1点を定めることに使われる。垂直二等分面の別解は図形的で短いが、3平面が1点で交わる理由を四面体性と結びつけて書く必要がある。目安時間は15分程度。