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京都大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

空間内に四面体ABCDを考える.
このとき,4つの頂点ABCDを同時に通る球面が存在することを示せ.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安15

ベクトル論証・証明 座標設定内積の利用、存在証明

方針

A を原点とし、他の頂点への3ベクトルを一次独立なb,c,d とする。中心候補 u が4頂点から等距離になる条件を3本の連立一次方程式へ変える。係数行列が正則であることから解の存在と一意性を示し、その解を中心とする球面を構成する。

解答

A を原点に移して考える。これは平行移動であり、球面の存在には影響しない。AB=b,AC=c,AD=dとおく。ABCD は四面体であるから、b,c,d は同一平面上にない。

球面の中心を表すベクトルを u とする。球面が A を通るなら、半径の2乗は u2 である。さらに B も通るためには bu2=u2 が必要十分である。左辺を展開すると b22ub+u2=u2 だから 2ub=b2 である。同様に、C,D も通るための条件は 2uc=c2,2ud=d2 である。

したがって、次の3条件を満たす u が存在すればよい。ub=b22,uc=c22,ud=d22ここで直交座標を1つ固定し、u の成分を未知数とみる。
上の3式の係数行列は、行ベクトルが b,c,d である
3×3 行列である。四面体の4頂点は同一平面上にないから
b,c,d は一次独立であり、この係数行列の行列式は0でない。
したがって、右辺12(b2c2d2)に対して連立一次方程式はただ1つの解 u をもつ。これで中心の候補が
実際に存在することと、その一意性が同時に示された。

この u を中心、u を半径とする球面を考えると、上の条件から bu=cu=du=u である。したがって、この球面は A,B,C,D をすべて通る。よって四面体の4つの頂点を同時に通る球面が存在する。

別解

解法2

方針

AB,AC,AD の垂直二等分面を考える。最初の2平面の共通部分は1本の直線であり、
四面体の非退化性からこの直線は第3の平面と平行でない。したがって3平面は1点で交わる。
その交点が4頂点から等距離であることを用いて外接球を構成する。

解答

AB の垂直二等分面上の点は AB から等距離にある。同様に、ACAD の垂直二等分面を考える。四面体では AB,AC,AD の3方向が同一平面上にないため、これら3つの垂直二等分面は1点で交わる。その交点を P とすると PA=PB,PA=PC,PA=PD が同時に成り立つ。よって P を中心、PA を半径とする球面は A,B,C,D をすべて通る。

3つの垂直二等分面の交点 P は4頂点から等距離にある。

総評

外接球の存在を示す証明問題で、計算よりも「中心はどんな条件を満たすか」を言語化する力が問われる。ベクトル解法では、bu2=u2 を内積の一次条件に直すところが核心である。四面体であることは、b,c,d が同一平面上にないこと、すなわち中心を決める3条件が空間内の1点を定めることに使われる。垂直二等分面の別解は図形的で短いが、3平面が1点で交わる理由を四面体性と結びつけて書く必要がある。目安時間は15分程度。

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出典: 京都大学 2011年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。