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京都大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験(数学理系・甲)理系(甲)数学 第3問

xを正の実数とする.
座標平面上の3点A(0,1)B(0,2)P(x,x)をとり,APBを考える.
xの値が変化するとき,APBの最大値を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

図形と方程式三角関数 座標設定三角比の利用微分による最大最小

方針

APB=θ とおき、2本のベクトルPA,PB の内積と行列式からtanθ を作る。内積が常に正なので、0<θ<π/2 の範囲で1変数関数を微分して最大化する。

解答

APB=θ とする。x>0 であり,A=(0,1),B=(0,2),P=(x,x) だから PA=(x,1x),PB=(x,2x) である。

2つのベクトルの内積はPAPB=(x)(x)+(1x)(2x)=x2+(23x+x2)=2x23x+2である。また,平面上の2ベクトルが作る平行四辺形の面積に対応する量は (x)(2x)(1x)(x)=2x+x2+xx2=x である。

ここで 2x23x+2=2(x34)2+78>0 なので,0<θ<π/2 である。したがって tanθ=x2x23x+2 であり,θ を最大にすることはこの値を最大にすることと同じである。 h(x)=x2x23x+2 とおく。微分するとh(x)=(2x23x+2)x(4x3)(2x23x+2)2=22x2(2x23x+2)2=2(1x)(1+x)(2x23x+2)2である。 x>0 では分母は正で,1+x>0 だから,h(x)0<x<1 で正,x>1 で負である。よって h(x)x=1 で最大となる。

このとき tanθ=h(1)=123+2=1 である。0<θ<π/2 より θ=π4 が最大値である。

AB を見込む角

最大時には A,B,P を通る円が直線 y=xP=(1,1) で接する。

別解

方針

固定弦 AB を見込む円周角として考える。A,B,P を通る円が直線 y=x と交わる条件から半径の最小値を求め、接するときに見込む角が最大になることを使う。

解答

θ=APB とする。まずPAPB=2x23x+2=2(x34)2+78>0だから、常に 0<θ<π/2 である。

A,B,P を通る円の中心を Q とする。AB の垂直二等分線は
y=3/2 なのでQ=(t,32),R2=QA2=t2+14と書ける。点 P は直線 y=x 上にあるため、この円が同直線と
交わるための必要条件は32t2Rである。両辺を2乗して整理するとt2+3t740,t12 または t72.後者では R249/4+1/4 である。一方、前者では
R2=t2+1/4t=1/2 のとき最小になる。このとき円は
y=x に接し、その接点は P=(1,1)、半径はR=12である。

固定された弦 AB=1 を鋭角 θ で見込むとsinθ=AB2R.よって半径が最小のとき θ が最大となり、sinθ=12/2=12.したがって最大値はθ=π4である。

総評

目安時間は18分前後。ベクトルから tanθ を作る方法が最短で,内積が常に正であることを確認してから最大化に移るのが大切である。微分計算自体は軽いが,θtanθ の最大が一致する理由を省くと論理が薄くなる。円の接線による方法は,固定された弦を見込む角は円の半径が小さいほど大きい,という図形的な理解を補強してくれる。

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出典: 京都大学 2010年度 前期 数学(理系甲)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。