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京都大学 2015年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第5問

a,b,c,d,eを正の有理数として整式f(x)=ax2+bx+cg(x)=dx+eを考える.すべての正の整数nに対してf(n)g(n)は整数であるとする.
このとき,f(x)g(x)で割り切れることを示せ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25

数と式整数 式変形、背理法、計算整理

方針

f(x) を一次式 g(x) で割り、余りを定数 r とする。商を Nn=f(n)/g(n) とおくと、仮定より Nn は整数列である。もし r0 なら、Nn は一次式に r/(dn+e) を加えた形になる。一次式の2階差は0なので、2階差は r/(dn+e) の2階差だけであり、これは0でなく、しかも n で0に近づく。整数列の2階差も整数であることと矛盾させる。

解答

g(x)=dx+e は一次式であるから、f(x)g(x) で割ると f(x)=(ux+v)g(x)+r と書ける。ただし u,v,r は定数であり、r は余りである。

正の整数 n に対して Nn=f(n)g(n) とおく。仮定より、すべての nNn は整数である。一方、上の割り算の式から Nn=un+v+rdn+e である。

ここで r0 と仮定して矛盾を導く。整数列 Nn に対して Dn=Nn+22Nn+1+Nn とおくと、Dn も整数である。一次式 un+v の2階差は0なので Dn=r{1d(n+2)+e2d(n+1)+e+1dn+e} である。

右辺を通分する。A=dn+e とおくと Dn=r{1A+2d2A+d+1A} であり、1A+2d2A+d+1A=A(A+d)2A(A+2d)+(A+d)(A+2d)A(A+d)(A+2d)=2d2A(A+d)(A+2d)である。したがって Dn=2rd2(dn+e)(d(n+1)+e)(d(n+2)+e) である。

いま d,e は正であり、r0 と仮定しているので、Dn はすべての正の整数 n で0ではない。また分母は n で限りなく大きくなるから Dn0 である。よって十分大きい n では 0<Dn<1 となる。しかし Dn は整数であるから、これは不可能である。

したがって r=0 でなければならない。ゆえに f(x)=(ux+v)g(x) であり、f(x)g(x) で割り切れる。

別解

解法2(1階差の収束)

方針

fg で割った余りを r とし、整数列 Nn=f(n)/g(n) の1階差を取る。その差は整数でありながらある実数へ収束するので、十分先では一定の整数になる。一方、re0 なら差は n とともに変化し続けるため矛盾する。

解答

2階差ではなく1階差で矛盾を出すこともできる。同じく Nn=un+v+rdn+e と書き、r0 と仮定する。整数列の差 En=Nn+1Nn も整数である。一方、直接計算するとEn=u+r{1d(n+1)+e1dn+e}=urd(dn+e)(d(n+1)+e)である。したがって Enu である。

整数列 En が実数 u に収束するなら、十分大きい n では同じ整数 M に等しい。実際、幅1未満の区間には整数は高々1つしか入らないからである。よって十分大きい n について M=urd(dn+e)(d(n+1)+e) が成り立つ。すなわち uM=rd(dn+e)(d(n+1)+e) である。しかし右辺は rd0 で、n によって値が変わり、しかも 0 に近づく。一定値 uM と十分先ですべて一致することはできない。これは矛盾である。

したがって r=0 であり、やはり f(x)g(x) で割り切れる。

総評

難度7、計算量5。目安時間は25分。整数値を取る商から余りを消す証明問題である。要点は、余りが残ると r/(dn+e) が現れ、その2階差が「0ではないが0に近づく」ことにある。整数列の2階差も整数であるため、十分大きいところで矛盾する。文系版では係数が正の有理数だが、議論自体は正の実数でも成立する。通分した2階差の式を明示すると論証が締まる。 第2解法では1階差を使い、整数列が収束すれば十分先で一定になるという事実を使うと、2階差より短く矛盾を出せる。

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出典: 京都大学 2015年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。