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京都大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

四面体OABCが次の条件を満たすならば,それは正四面体であることを示せ.

条件: 頂点A,B,Cからそれぞれの対面を含む平面へ下ろした垂線は対面の重心を通る.

ただし,四面体のある頂点の対面とは,その頂点を除く他の3つの頂点がなす三角形のことをいう.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

ベクトル論証・証明 内積の利用座標設定、計算整理

方針

Oを原点に取り,OA=aOB=bOC=cとおく。たとえばAから平面OBCへ下ろした垂線が重心(b+c)/3を通ることは,a(b+c)/3bcに垂直であることに等しい。同様の式をA,B,Cについて立て,a2,b2,c2と3つの内積を比較して,長さと内積がすべてそろうことを示す。

解答

Oを原点とし,OA=a,OB=b,OC=cとおく。またA=a2,B=b2,C=c2,p=ab,q=bc,r=caとする。

三角形OBCの重心は(b+c)/3である。Aから平面OBCへ下ろした垂線がこの点を通るので,ab+c3 は平面OBC上の2つの方向b,cに垂直である。したがってab=b2+bc3,ac=bc+c23である。記号で書けば 3p=B+q,3r=q+C である。

同様に,Bから平面OCAへの垂線と,Cから平面OABへの垂線についても式を立てると,3q=C+r,3p=r+A,3r=A+p,3q=p+B を得る。

まず 3p=B+q,3q=p+B を引き比べると 4(pq)=0 であるからp=qである。同様に 3r=q+C,3q=C+r よりr=q,また 3p=r+A,3r=A+p よりp=rである。したがって p=q=r である。

さらに,たとえば3p=B+qq=pを代入すると B=2p である。同じように A=2p,C=2p も得られる。よって a=b=c であり,3つの内積もすべて等しい。

このとき OA2=A=2p,OB2=B=2p,OC2=C=2p である。また AB2=ab2=A+B2p=2p であり,同様に BC2=CA2=2p である。四面体は退化していないのでp>0であり,6辺の長さはすべて等しい。したがって四面体OABCは正四面体である。

別解

解法2

方針

四面体全体の重心を原点に取る。すると各対面の重心は,向かい側の頂点ベクトルの1/3倍になるため,頂点から対面重心への方向はその頂点ベクトル自身になる。垂直条件から頂点どうしの内積がすべて等しいことを導き,重心関係から各頂点ベクトルの長さも等しいと示す。

解答

四面体OABCの重心を原点とし,各頂点の位置ベクトルをそれぞれo,a,b,cとする。このときo+a+b+c=0(1)である。

頂点Aの対面OBCの重心をGAとし,その位置ベクトルをgAとすると,(1)よりgA=o+b+c3=a3.したがってAからGAへ向かうベクトルは4a/3である。仮定によりこの直線は平面OBCに垂直だから,aboおよびcoに垂直である。よってab=ao,ac=ao.(2)同じ議論を頂点B,Cについて行うと,異なる2頂点の位置ベクトルの内積はすべて同じ値になる。これをpとおけばoa=ob==bc=p.(3)(1)の両辺とaとの内積を取ると0=a(o+a+b+c)=a2+3pである。したがってa2=3pである。o,b,cについても同様なので,4頂点の位置ベクトルの長さはすべて等しい。

任意の異なる2頂点の位置ベクトルをu,vとすると,(3)よりuv2=u2+v22uv=3p3p2p=8pである。この値は頂点の選び方によらない。よって四面体の6辺はすべて等しく,OABCは正四面体である。

総評

難度7,計算量6。目安時間は30分。重心を通る垂線という条件を,ベクトルの垂直条件に翻訳できるかが核心である。式が6本出るので,記号A,B,C,p,q,rを導入して対称性を保ったまま整理すると見通しがよい。途中で「対称だから等しい」と飛ばすのではなく,3p=B+q3q=p+Bの比較のように具体的に差を取ると,答案として強い。最後は辺AB,BC,CAまで計算し,6辺が等しいことを明記する。

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出典: 京都大学 2016年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。