方針
実係数3次式で虚数解をもつので,根はと書ける。ただしは実数,は非実数である。条件(イ)は根全体の集合が3乗写像で閉じていることを意味する。実根についてはから。非実根についてはがのいずれかになるので,,,を分類する。既存解答で落ちやすいの場合からも出る。
解答
条件(ロ)より,方程式は非実数の解をもつ。係数が実数なので,非実数解があれば,その共役複素数も解である。3次式であるから,残りの解を実数として,根の集合は と書ける。
条件(イ)は,この根の集合が3乗をとる操作で閉じていることを表す。まず実数根について考える。は実数であり,根の集合に含まれるので,非実数のにはなれない。したがって である。よって である。
次に非実数解を考える。はのいずれかである。 の場合,であり,またはである。なら,は1の非実数の3乗根であるから,根全体はの3根である。したがって を得る。なら,はの非実数の3乗根であるから,根全体はの3根である。したがって を得る。 の場合,であるから,となってしまい,非実数であることに反する。よってこの場合はない。 の場合を考える。であり,絶対値を比較するとなのでである。したがってであり,に代入すると である。非実数の4乗根は である。したがって非実数解の組はであり,実数根は先に求めたのいずれかである。よって であり, を得る。
以上の候補はいずれも実係数で,非実数解をもち,さらに各根を3乗しても同じ根集合の中に入る。したがって求める3次式はである。
別解
解法2
方針
非実根を極形式で表し,絶対値と偏角を分けて分類する。実係数3次式の根はであり,3乗写像の行き先はこの3根のいずれかである。特にでは絶対値から,偏角からを得る。
解答
非実根を()とする。実係数3次式なので根はと書け,は実数である。も実根だから,すなわちである。
非実根の3乗の行き先を分類する。
(i) の場合
ならとなるので不適である。ならは1の3乗根をすべて与えるからである。なら同様にの3乗根をすべて与え,である。
(ii) の場合
よりとなり,が非実数であることに反する。
(iii) の場合
絶対値を比較するとであり,よりである。したがってであり,偏角を比較してを得る。非実数であるものはである。よって非実根の組はであり,(1)の各に対してとなる。
以上から候補はである。各候補について根を3乗すれば同じ根集合に戻り,かつ非実根をもつので,すべて条件を満たす。
総評
難度7,計算量5。目安時間は30分。根集合が3乗で閉じるという発想自体は自然だが,だけに絞るととを落とす。非実根の3乗が実根に移る場合も条件(イ)を満たすため,必ず,,の3通りを並べて分類する。最後に候補が本当に条件を満たすことを確認すると,分類漏れと余分な候補の両方を防げる。