方針
数12も1331もn進法表記なので,十進法では12=n+2,1331=n3+3n2+3n+1=(n+1)3である。したがって2n+2=(n+1)3を満たすn≧4を求める。まずn=7を見つけ,4≦n≦6は直接確認する。n≧8では比2n+2/(n+1)3が増加することを示し,n=8で既に左辺が大きいことから以後の解を除く。
解答
問題文の数2,12,1331はいずれもn進法で表記されている。n≧4なので,2は十進法でも2である。また 12(n)=n+2 であり,1331(n)=n3+3n2+3n+1=(n+1)3 である。したがって条件は,十進法で 2n+2=(n+1)3 となる。
まずn=7を代入すると 27+2=29=512,(7+1)3=83=512 であり,確かに条件を満たす。
次に他に解がないことを示す。4≦n≦6ではn2n+2(n+1)346412551282166256343であり,いずれも一致しない。 n≧8については An=(n+1)32n+2 とおく。すると AnAn+1=2(n+2n+1)3 である。n≧8では 2(n+1)3>(n+2)3 が成り立つので,An+1>Anである。実際,左辺から右辺を引くと 2(n+1)3−(n+2)3=n3−6n−6>0 である。
ところがn=8では 210=1024>729=93 であるから,A8>1である。したがってn≧8では常に2n+2>(n+1)3となり,等号は起こらない。
以上より,求めるnは 7 である。
別解
解法2
方針
n進表記を十進法へ直した後,n≧8の除外を数学的帰納法で行う。小さいnは表で確認し,n=8で指数側が3次式側を追い越した後は,左辺を2倍する増え方が右辺の増え方より大きいことを示す。
解答
n進法の12と1331は,十進法ではそれぞれ12(n)=n+2,1331(n)=n3+3n2+3n+1=(n+1)3である。したがって求める条件は2n+2=(n+1)3(1)となる。
n=4,5,6,7を調べるとn2n+2(n+1)3464125512821662563437512512であるから,この範囲ではn=7だけが(1)を満たす。
次にn≧8では2n+2>(n+1)3(2)が続くことを帰納的に示す。n=8では210=1024>729=93なので成り立つ。n=k≧8で(2)が成り立つと仮定する。このとき2k+3>2(k+1)3.さらに2(k+1)3−(k+2)3=k3−6k−6>0である。最後の不等式はk≧8で明らかだから,2k+3>(k+2)3となり,n=k+1でも(2)が成り立つ。よってn≧8に解はない。
以上より,十進法で表した答えはn=7である。
総評
難度4,計算量3。目安時間は10分。最大の注意点は,指数の12も十進法の12ではなくn+2を表すこと。ここを読み違えると全く別の問題になる。候補n=7はすぐ見つかるが,京大の答案としては一意性の証明が必要である。n≧8で比が増加することを示すと,「増え方が大きい」という曖昧な説明を避けられる。
冊子PDFで見る京大の整数の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2016年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。