方針
(1) はを基底として,各点を辺上の内分比で表す。には成分がないため,が平行なら成分が0になり,内分比の等式が得られる。(2)では,この配置で正八面体になるときの向かい合う頂点がであり,正八面体の3本の対角線は共通の中点をもつことを用いる。係数比較で6点が各辺の中点であることを示し,その後,正八面体の辺が四面体各面の中点連結線であることから四面体の6辺が等しいことを示す。
解答
(1) とおく。点は辺上,点は辺上にあるので,,を用いてと書ける。このとき である。
または上,は上にあるから,はとの1次結合で表され,成分をもたない。一方である。 とが平行なら,も成分をもたない。したがって であり,である。よって となる。
(2)
正八面体では,向かい合う頂点を結ぶ3本の対角線が1点で交わり,その点で互いに中点に分けられる。この配置では向かい合う頂点は である。したがって が成り立つ。以下,位置ベクトルで係数比較を行う。 を用いてと書く。まずから係数を比較すると である。したがって である。
次にから係数を比較すると である。上で得た関係を代入すると であり,さらにより を得る。よって である。これにより も従う。したがってはすべて,対応する辺の中点である。
最後に,が正四面体であることを示す。たとえば面では,はそれぞれの中点である。よって である。正八面体の面は正三角形なので であり,したがって である。同様に他の面についても考えると,四面体の各面は正三角形であり,結局6本の辺はすべて等しい。よっては正四面体である。
別解
解法2
方針
(1) は2本の線分が属する面に着目する。 は面 、 は面 にあり、平行なら共通方向は2平面の交線 と平行になる。三角形 の平行線の比で結論する。(2)は正八面体の向かい合う3組が共通中点をもつことを、辺上の6個の内分係数へ一度に反映する。
解答
(1)
線分 は平面 内にあり、線分 は平面 内にある。両者が平行なら、その共通の方向は2平面の方向にともに含まれる。平面 と平面 の交線は だからしたがって三角形 の平行線の性質によりこの共通の比を とするとよって(2)とする。6点をと表す。各係数は0と1の間にある。
正八面体で向かい合う頂点の組はであり、3本の対角線は共通の中点をもつ。したがって最初の等式を の係数で比較すると次の等式からゆえにしたがって 。すべての係数が となり、6点は各辺の中点である。
面 では が3辺の中点なので一方、 は正八面体の正三角形の面である。よって他の面にも同じ議論を適用すると、四面体の6辺はすべて等しい。したがって は正四面体である。
総評
難度8,計算量7。目安時間は35分。(1)は係数比較の標準問題だが,(2)は正八面体の対角線が共通中点をもつ性質を,四面体の6辺上の内分比へ戻す論証が必要である。抽象的な用語に頼らず,位置ベクトルで各点を表し,共通中点の等式を係数比較すれば,中点性が機械的に出る。最後は中点連結線の長さが元の辺の半分であることを使い,正八面体の面が正三角形であることから四面体の各辺が等しいと結論づける。