Evolton

京都大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

四面体 OABC を考える。点 D,E,F,G,H,I は、それぞれ辺OA,AB,BC,CO,OB,AC上にあり、頂点ではないとする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) DGEF が平行ならばAE:EB=CF:FBであることを示せ。

(2) D,E,F,G,H,I が正八面体の頂点となっているとき、これらの点は OABC の各辺の中点であり、OABC は正四面体であることを示せ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安35

ベクトル図形と方程式論証・証明 ベクトル成分計算図形的解釈必要十分条件

方針

(1)OA,OB,OCを基底として,各点を辺上の内分比で表す。DGにはOB成分がないため,EFが平行ならOB成分が0になり,内分比の等式が得られる。(2)では,この配置で正八面体になるときの向かい合う頂点が(D,F),(E,G),(H,I)であり,正八面体の3本の対角線は共通の中点をもつことを用いる。係数比較で6点が各辺の中点であることを示し,その後,正八面体の辺が四面体各面の中点連結線であることから四面体の6辺が等しいことを示す。

解答

(1) OA=a,OB=b,OC=cとおく。点Eは辺AB上,点Fは辺BC上にあるので,0<s<10<t<1を用いてOE=(1s)a+sb,OF=(1t)b+tcと書ける。このとき AE:EB=s:(1s),CF:FB=(1t):t である。

またDOA上,GCO上にあるから,DGacの1次結合で表され,b成分をもたない。一方EF=OFOE=(1s)a+(1st)b+tcである。 DGEFが平行なら,EFb成分をもたない。したがって 1st=0 であり,s=1tである。よって AE:EB=s:(1s)=(1t):t=CF:FB となる。

(2)
正八面体では,向かい合う頂点を結ぶ3本の対角線が1点で交わり,その点で互いに中点に分けられる。この配置では向かい合う頂点は (D,F),(E,G),(H,I) である。したがって D+F2=E+G2=H+I2 が成り立つ。以下,位置ベクトルで係数比較を行う。 0<λ,μ,ν,ρ,η,κ<1を用いてD=λa,E=(1μ)a+μb,F=(1ν)b+νc,G=ρc,H=ηb,I=(1κ)a+κcと書く。まずD+F=E+Gから係数を比較すると λ=1μ,1ν=μ,ν=ρ である。したがって ν=λ,ρ=λ,μ=1λ である。

次にE+G=H+Iから係数を比較すると 1μ=1κ,μ=η,ρ=κ である。上で得た関係を代入すると κ=μ=1λ,ρ=λ であり,さらにρ=κより λ=1λ を得る。よって λ=12 である。これにより λ=μ=ν=ρ=η=κ=12 も従う。したがってD,E,F,G,H,Iはすべて,対応する辺の中点である。

最後に,OABCが正四面体であることを示す。たとえば面OABでは,D,E,HはそれぞれOA,AB,OBの中点である。よって DE=12OB,EH=12OA,HD=12AB である。正八面体の面DEHは正三角形なので DE=EH=HD であり,したがって OA=OB=AB である。同様に他の面についても考えると,四面体OABCの各面は正三角形であり,結局6本の辺はすべて等しい。よってOABCは正四面体である。

別解

解法2

方針

(1) は2本の線分が属する面に着目する。DG は面 OACEF は面 ABC にあり、平行なら共通方向は2平面の交線 AC と平行になる。三角形 ABC の平行線の比で結論する。(2)は正八面体の向かい合う3組が共通中点をもつことを、辺上の6個の内分係数へ一度に反映する。

解答

(1)
線分 DG は平面 OAC 内にあり、線分 EF は平面 ABC 内にある。両者が平行なら、その共通の方向は2平面の方向にともに含まれる。平面 OAC と平面 ABC の交線は AC だからEFAC.したがって三角形 ABC の平行線の性質によりBEBA=BFBC.この共通の比を t とするとAEEB=1tt=CFFB.よってAE:EB=CF:FB.(2)OA=a,OB=b,OC=cとする。6点をD=da,E=(1e)a+eb,F=(1f)b+fc,G=gc,H=hb,I=(1i)a+icと表す。各係数は0と1の間にある。

正八面体で向かい合う頂点の組は(D,F),(E,G),(H,I)であり、3本の対角線は共通の中点をもつ。したがってD+F=E+G=H+I.最初の等式を a,b,c の係数で比較するとd=1e,f=1e,g=f.次の等式からi=e,h=e,g=i.ゆえにe=g=f=1e,したがって e=1/2。すべての係数が 1/2 となり、6点は各辺の中点である。

OAB では D,E,H が3辺の中点なのでDE=12OB,EH=12OA,HD=12AB.一方、DEH は正八面体の正三角形の面である。よってOA=OB=AB.他の面にも同じ議論を適用すると、四面体の6辺はすべて等しい。したがって OABC は正四面体である。

総評

難度8,計算量7。目安時間は35分。(1)は係数比較の標準問題だが,(2)は正八面体の対角線が共通中点をもつ性質を,四面体の6辺上の内分比へ戻す論証が必要である。抽象的な用語に頼らず,位置ベクトルで各点を表し,共通中点の等式を係数比較すれば,中点性が機械的に出る。最後は中点連結線の長さが元の辺の半分であることを使い,正八面体の面が正三角形であることから四面体の各辺が等しいと結論づける。

冊子PDFで見る京大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2017年度 前期 理系数学 第2問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。