方針
の根を重複も考えてとする。がで割り切れるためには,各根についてが再びの根であることが必要で,重根の場合も確認する。2個以下の根集合が3乗で閉じる場合を分類する。両方が固定されると根はだけで実係数になり不適。非実係数が出るのは,固定根またはへもう一方の根が写る場合と,2根が3乗で入れ替わる場合である。
解答
の根をとする。条件(イ)より,の根を代入すると でなければならない。したがって,根の集合は3乗をとる操作で閉じている。
まず重根の場合を確認する。なら,条件(イ)からが必要である。よって であり,このとき係数は実数になるので条件(ロ)に反する。したがって,条件を満たすものは異なる2根をもつ場合に限られる。
異なる2根の集合をとする。各根を3乗してもに残る。根が3乗で自分自身に戻る固定点なら, よりである。2根がともに固定点なら係数は実数となり,不適である。
次に,一方の根が固定点で,もう一方の根がその固定点へ移る場合を考える。固定点が0なら,よりとなって2根が異なることに反する。固定点が1なら,もう一方の根は1以外の3乗根であり, である。したがって を得る。固定点がなら,もう一方の根は以外のの3乗根であり, である。したがって を得る。
最後に,2根が3乗で入れ替わる場合を考える。,とすると, である。ならとなり異なる2根ではないので,である。よって である。8乗根のうち,3乗で入れ替わる組はである。このうちからはができ,係数が実数なので条件(ロ)に反する。残りの2組から を得る。
以上の候補はいずれも,根を3乗すると同じ2根の集合に入るため条件(イ)を満たし,かつ係数の少なくとも一方が虚数である。したがって求める2次式はである。
別解
解法2
方針
をで割った余りを係数比較で0にする代数的解法。からの1次式表示を作り,余りの係数と定数項を因数分解する。根の写像を場合分けせず,連立代数方程式として全候補を得る。
解答
とする。を法としてである。とおけば,ここで再びを使うと,余りはとなる。したがって割り切れるための必要十分条件は,整理してである。
なら(2)はとなり,である。またなら(1)はとなり,である。いずれも係数は実数なので条件(ロ)を満たさない。以下とする。
(1) より,まずの場合を考える。(2)へ代入するととなる。なので,またはである。これらからを得る。
次に,すなわちの場合,(2)はとなる。では係数が実数なので除外し,からを得る。
(1) の因数をすべて調べたので分類は尽くされている。(3),(4)はいずれも(1),(2)を満たし,非実係数をもつ。したがって求める2次式は(3),(4)の6個である。
総評
難度7,計算量5。目安時間は30分。2根が3乗で入れ替わる場合だけを見ると,固定根やへもう一方の根が写る4つの解を落とす。条件は「3乗したものが根である」ことであり,3乗操作が根集合上で一対一であるとは限らない。重根,固定点,固定点へ流れ込む場合,2周期の場合を順に分類すると漏れがない。最後の候補確認では,係数が実数になるなどを条件(ロ)で除外する点も重要である。