方針
とおくと であり, は の3状態だけを動く。表なら指数が1増え,裏なら共役を取るので指数が符号反転する。この3状態で終わる列の数を として遷移式を作る。初期値から が保たれることを使い, を解いて,最後に全事象数 で割る。
解答
とおく。すると ,, である。したがって は常に のいずれかである。 回後に となる表裏の列の数をそれぞれ とする。表が出ると を掛けるので指数が1増え,裏が出ると共役になるので と が入れ替わり, はそのままである。よって である。
1回目では,裏なら ,表なら であるから である。上の漸化式の第1式と第2式は同じ形なので, から帰納的に である。また全事象数は 通りなので であり, である。したがって を得る。
この漸化式を解く。 であり, である。ここから が成り立つことは帰納法で確認できる。実際,この式が で成り立つとするとである。
したがって求める確率は である。
別解
解法2
方針
3状態 にいる確率を直接置く。遷移を表にすると,次時刻に と にいる確率は常に等しい。全確率が1であることを使い, だけの1次漸化式 に落として解く。
解答
とおくと,したがって は の3状態だけを取る。
それぞれの状態にいる確率をとする。表・裏による遷移はである。よって最初の2式から であり,初期値もだから,すべての で である。
全確率よりしたがって定常値 を引くと なのでゆえにこれが求める確率である。
総評
難度6、目安時間25分。複素数の計算を続けるのではなく, を用いて の3状態へ落とす。表は指数を1進め,裏は共役により指数の符号を反転する。操作列の個数を数える方法と状態確率を追う方法の双方からを得た。遷移表で からは表・裏のどちらでも へ移る点を確認し, の直接列挙で初期値と符号を検算する。