方針
wを極形式で表す。(1)では∣w∣=Rを固定し,偏角を動かすとx,yがcosθ,sinθの定数倍で表されるので楕円になる。(2)では偏角αを固定し,∣w∣=rを正に動かす。r+1/rとr−1/rの間の恒等式から双曲線を得るが,r+1/r≧2により右側の1枝だけであることを確認する。
解答
(1) ∣w∣=Rなので w=R(cosθ+isinθ) とおける。このとき w1=R1(cosθ−isinθ) である。したがってw+w1=(R+R1)cosθ+i(R−R1)sinθであり,x=(R+R1)cosθ,y=(R−R1)sinθである。R>1よりどちらの係数も正であるから,θを動かすと軌跡は(R+R1)2x2+(R−R1)2y2=1で表される楕円である。
(2)
偏角がαであるから,r>0を用いて w=r(cosα+isinα) とおける。このとき w1=r1(cosα−isinα) である。よってx=(r+r1)cosα,y=(r−r1)sinαである。
ここで (r+r1)2−(r−r1)2=4 だから(cosαx)2−(sinαy)2=4を得る。さらにr>0より r+r1≧2 であり,0<α<π/2なのでcosα>0である。したがって x≧2cosα も必要である。
逆に,この双曲線上でx≧2cosαを満たす点については,r+1/r=x/cosα≧2となる正のrが存在し,対応するyも上式で決まる。よって求める軌跡はcos2αx2−sin2αy2=4,x≧2cosαで表される双曲線の右側の枝である。
別解
解法2
方針
(1) は w=u+vi と直交座標で置き、∣w∣=R を直接用いて x,y が u,v の定数倍になることから楕円を得る。(2)は x/cosα と y/sinα を作り、その差の平方が4になる恒等式と符号条件で双曲線の右枝に限定する。
解答
(1)
w=u+vi とおく。∣w∣=R よりu2+v2=R2,w1=R2u−vi.したがってx=(1+R21)u,y=(1−R21)v.これを u2+v2=R2 へ代入すると(R+R1)2x2+(R−R1)2y2=1.R>1 なので退化せず、軌跡はこの楕円全体である。
(2)
w の偏角が α なので、ある r>0 によりw=r(cosα+isinα).実部・虚部からcosαx=r+r1,sinαy=r−r1.両式の平方の差をとるとcos2αx2−sin2αy2=4.さらに相加相乗平均よりcosαx=r+r1≧2.0<α<π/2 だからx≧2cosα.よって軌跡はcos2αx2−sin2αy2=4,x≧2cosαで表される双曲線の右枝である。
総評
難度5,計算量4。目安時間は18分。どちらも極形式に直せば,実部と虚部を読むだけで方程式が出る。(1)はR>1なので楕円の縦半径が0にならない。(2)では双曲線全体を書くだけでは不十分で,r+1/r≧2からx≧2cosαを付けて右枝に限る必要がある。逆にその枝の各点に対応するr>0が存在することにも触れておくと軌跡の答案として完結する。
冊子PDFで見る京大の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2017年度 前期 理系数学 第1問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。