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京都大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

(1+i)n+(1i)n>1010をみたす最小の正の整数nを求めよ。ただし,iは虚数単位とする。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

複素数平面数列 複素数の極形式、場合分け、範囲評価

方針

1±i を極形式にして和を余弦で表す。正の値を取る3つの剰余類ごとに2の累乗へ直し、233<1010<234 と比較して最小の n を決める。

解答

1±i=2(cosπ4±isinπ4)だから(1+i)n+(1i)n=2(2)ncosnπ4である。この値が正になるのはn0,1,7(mod8)のときだけである。n=8k+r と書けば、正の3場合はr(1+i)n+(1i)n024k+1124k+1724k+4となる。

また233=8589934592<1010<17179869184=234である。したがって、右辺を超えるには指数が34以上でなければならない。

r=0 では 4k+134 より最小でも n=72r=1 では最小でも n=73 である。r=7 では4k+434を満たす最小の整数は k=8 であり、n=88+7=71 となる。実際、このときの値は 236>1010 である。よって最小の正の整数はn=71である。

別解

解法2

方針

三角関数を使わず、(1±i)8=16 から数列が8項ごとに16倍されることを用いる。最初の8項の符号と値を計算し、正の剰余類だけを比較する。

解答

数列an=(1+i)n+(1i)nを考える。まず(1+i)2=2i,(1+i)4=4,(1+i)8=16であり、1i についても8乗は16である。よってan+8=16anが成り立つ。

最初の8項を直接計算するとn01234567an220488016である。したがって正になるのは n0,1,7(mod8) のときであり、n=8k+r に対してa8k=24k+1,a8k+1=24k+1,a8k+7=24k+4となる。

ここで233<1010<234だから、各剰余類で指数が34以上になる最初の項を調べる。順に n=72,73,71 であり、その中で最小はn=71である。

総評

難度5、目安時間15分。大きさだけでなく符号が8周期で変わるため、正になる剰余類を先に限定することが重要である。閾値は 233<1010<234 まで比較すれば十分である。極形式による解法と (1±i)8=16 による解法のどちらでも、3つの剰余類の最初の候補を比較して最小性まで示す。

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出典: 京都大学 2019年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。