京都大学 2019年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系学部
- 分野
- 三角関数、積分
- 解法
- 式変形、部分積分、定積分評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
次の各問に答えよ。
問1 0<θ<2πとする。cosθは有理数ではないが,cos2θとcos3θがともに有理数となるようなθの値を求めよ。ただし,pが素数のとき,pが有理数でないことは証明なしに用いてよい。
問2 次の定積分の値を求めよ。
(1)∫04πcos2xxdx(2)∫04πcosxdx
出典:京都大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
解法1
問1は X=cosθ とおき、2倍角から X2 が有理数であることを得る。3倍角を X(4X2−3) と表し、X の無理性を使う。問2(1)は部分積分、(2)は分母を 1−sin2x に変形して積分する。
解法2
問1は cos3θ=cosθ(2cos2θ−1) を直接用い、有理数と無理数の積から係数を0と決める。問2は被積分関数の原始関数を微分で確認し、端点を代入する。
解答
解法1
問1
X=cosθ とおく。条件から X は無理数である。一方、
cos2θ=2X2−1
が有理数なので、X2 は有理数である。また
cos3θ=X(4X2−3)
も有理数であり、4X2−3 は有理数である。もし 4X2−3=0 なら、上式を 4X2−3 で割ることで X が有理数となり、矛盾する。よって
4X2−3=0
である。0<θ<π/2 より X>0 だから
となる。実際、これは無理数であり、cos2θ=1/2、cos3θ=0 はともに有理数である。したがって
θ=6π
である。
問2 (1)
部分積分により
∫0π/4cos2xxdx=[xtanx]0π/4−∫0π/4tanxdx=4π+[log(cosx)]0π/4=4π−log2
である。
問2 (2)
cosx1=21(1+sinxcosx+1−sinxcosx)
だから
∫0π/4cosxdx=21[log(1+sinx)−log(1−sinx)]0π/4=21log2−22+2=log(1+2)
である。
解法2
問1
恒等式
cos3θ=cosθ(2cos2θ−1)
を用いる。2cos2θ−1 は有理数である。これが0でなければ
cosθ=2cos2θ−1cos3θ
は有理数となり、条件に反する。したがって
2cos2θ−1=0,cos2θ=21
である。0<2θ<π なので 2θ=π/3、ゆえに
θ=6π
を得る。
問2 (1)
次の微分を確認する。
dxd{xtanx+log(cosx)}=tanx+cos2xx−tanx=cos2xx
よって
∫0π/4cos2xxdx=[xtanx+log(cosx)]0π/4=4π−log2
である。
問2 (2)
dxdlog(secx+tanx)=secx=cosx1
だから
∫0π/4cosxdx=[log(secx+tanx)]0π/4=log(2+1)
となる。