方針
Sn=αn+βn に2項間漸化式を作り、初期値から偶整数性を帰納する。極限は Sn が偶整数であることと β=−1/α を使い、小さい角へ移す。
解答
(1)
解と係数の関係よりα+β=2p,αβ=−1.Sn=αn+βn とおく。各解がx2=2px+1を満たすのでSn+2=2pSn+1+Sn.初期値はS0=2,S1=2pで、ともに偶整数である。したがって数学的帰納法により、すべての正の整数 n について Sn は偶整数である。
(2) α=p+p2+1>1,β=p−p2+1=−α1.Sn は偶整数だからsin(παn)=sin{π(Sn−βn)}=−sin(πβn).またβn=(−1)nα−n.よって(−α)nsin(παn)=−(−1)nαnsin(πβn)=−αnsin(πα−n).n→∞ で πα−n→0 だからαnsin(πα−n)=ππα−nsin(πα−n)⟶π.したがって極限は−π.
別解
解法2(二項展開で偶整数性を示す方法)
方針
2解を p±p2+1 と明示して二項展開する。奇数個の根号を含む項が打ち消し合い、残りが2倍の整数になることを示す。
解答
(1) α=p+p2+1,β=p−p2+1.二項展開して加えると、p2+1 の奇数乗を含む項は打ち消し合う。したがってαn+βn=2j=0∑⌊n/2⌋nC2jpn−2j(p2+1)j.右辺は整数の2倍なので、すべての正の整数 n について偶整数である。
(2)
∣α∣>1 だから α=p+p2+1 であり、β=−α−1.(1)の偶整数を Sn と書けばαn=Sn−βn.よってsin(παn)=−sin(πβn)=−(−1)nsin(πα−n).したがって(−α)nsin(παn)=−αnsin(πα−n)⟶−π.
総評
難度7、計算量5。目安時間は28分。(1)では漸化式でも二項展開でも、単に整数ではなく偶整数まで示す。(2)で角を Sn−βn に移すとき、Sn が偶数だから余分な符号が生じない。さらに β=−1/α と (−α)n の符号を1行ずつ整理し、最後に sinx/x→1 を適用する。
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出典: 京都大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。