京都大学 2020年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系学部
- 分野
- 数列、整数、三角関数
- 解法
- 漸化式の変形、数学的帰納法、極限計算
- 難易度
- 7 / 10 計算量 5 / 10 目安 28分
問題
pを正の整数とする.α,βはxに関する方程式x2−2px−1=0の2つの解で,∣α∣>1であるとする.
(1) すべての正の整数nに対し,αn+βnは整数であり,さらに偶数であることを証明せよ.
(2) 極限n→∞lim(−α)nsin(αnπ)を求めよ.
出典:京都大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
解法1(漸化式で偶整数性を示す方法)
Sn=αn+βn に2項間漸化式を作り、初期値から偶整数性を帰納する。極限は Sn が偶整数であることと β=−1/α を使い、小さい角へ移す。
解法2(二項展開で偶整数性を示す方法)
2解を p±p2+1 と明示して二項展開する。奇数個の根号を含む項が打ち消し合い、残りが2倍の整数になることを示す。
解答
解法1(漸化式で偶整数性を示す方法)
(1)
解と係数の関係より
α+β=2p,αβ=−1.
Sn=αn+βn とおく。各解が
x2=2px+1
を満たすので
Sn+2=2pSn+1+Sn.
初期値は
S0=2,S1=2p
で、ともに偶整数である。したがって数学的帰納法により、すべての正の整数 n について Sn は偶整数である。
(2)
α=p+p2+1>1,β=p−p2+1=−α1.
Sn は偶整数だから
sin(παn)=sin{π(Sn−βn)}=−sin(πβn).
また
βn=(−1)nα−n.
よって
(−α)nsin(παn)=−(−1)nαnsin(πβn)=−αnsin(πα−n).
n→∞ で πα−n→0 だから
αnsin(πα−n)=ππα−nsin(πα−n)⟶π.
したがって極限は
−π.
解法2(二項展開で偶整数性を示す方法)
(1)
二項展開して加えると、p2+1 の奇数乗を含む項は打ち消し合う。したがって
αn+βn=2j=0∑⌊n/2⌋nC2jpn−2j(p2+1)j.
右辺は整数の2倍なので、すべての正の整数 n について偶整数である。
(2)
∣α∣>1 だから α=p+p2+1 であり、
β=−α−1.
(1)の偶整数を Sn と書けば
αn=Sn−βn.
よって
sin(παn)=−sin(πβn)=−(−1)nsin(πα−n).
したがって
(−α)nsin(παn)=−αnsin(πα−n)⟶−π.