Evolton

京都大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

nを自然数とする.
3つの整数n2+2,n4+2,n6+2の最大公約数Anを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

整数 最大公約数、合同式、偶奇性

方針

共通に割る素因数を調べる。まず差を取り、共通約数が 2(1n2) も割ることを使う。奇素数 q が共通約数を割るなら、qn であり、n22n21(modq) が同時に成り立つため q=3 に限られる。残る候補は2と3だけなので、2の指数、3の指数をそれぞれ確認する。特に3については、9が3つすべてを割ることはないことを n2(mod9) で確認する。

解答

3つの整数 n2+2,n4+2,n6+2 の最大公約数を An とする。

まず、Ann2+2n4+2 を割るので、その整数係数の差 n4+2n2(n2+2)=2(1n2) も割る。したがって An2(1n2) である。

奇素数 qAn を割るとする。もし qn なら、qn2+2 より q2 となり、q が奇素数であることに反する。したがって qn である。 qAn なので n2+20(modq) であり、n22(modq) である。また An2(1n2) かつ q は奇素数だから 1n20(modq) すなわち n21(modq) である。よって 12(modq) となり、30(modq) である。したがって奇素因数は3に限られる。

次に2の出方を調べる。n が奇数のとき、n2,n4,n6 はすべて奇数なので、3つの数はすべて奇数であり、2は An を割らない。n が偶数のときは、n2,n4,n6 は4の倍数なので n2+2n4+2n6+22(mod4) である。したがって2は割るが、4は割らない。

次に3の出方を調べる。n が3の倍数のとき、3つの数はいずれも 2(mod3) に合同なので、3は An を割らない。n が3の倍数でないとき、n21(mod3) であるから、3つの数はいずれも 1+20(mod3) となり、3は An を割る。

ただし、9が常に共通に割るわけではないことを確認する。3n のとき、n2 の9での余りは 1,4,7 のいずれかである。もし n21(mod9) なら n2+23(mod9) である。もし n24(mod9) なら n2+26(mod9) である。もし n27(mod9) なら n4+272+24+26(mod9) である。いずれの場合も、3つすべてが9で割り切れることはない。したがって3の指数は高くても1である。

以上より、An は2と3の有無だけで決まる。n を6で割った余りで分類するとAn={6(n2,4(mod6)),3(n1,5(mod6)),2(n0(mod6)),1(n3(mod6))である。

別解

解法2

方針

x=n2 とおき、x+2 を法として x2 を使う。後ろ2数の余りはそれぞれ6と 6 なので、3数の最大公約数が gcd(n2+2,6) に正確に一致することを示す。最後は nmod6 だけで分類する。

解答

x=n2 とおく。x+2 を法とすれば x2 だからx2+2(2)2+2=6(modx+2),x3+2(2)3+2=6(modx+2).したがって3数の共通約数は x+2 と6の共通約数であり、Angcd(x+2,6).逆に dx+2 かつ d6 とする。x2(modd) だからx2+260(modd),x3+260(modd).よって d は3数すべての共通約数である。したがってAn=gcd(n2+2,6).n を6で割った余りごとに n2+2 を6で見るとnmod6012345n2+2mod6230503である。よってAn={6(n2,4(mod6)),3(n1,5(mod6)),2(n0(mod6)),1(n3(mod6)).

総評

最大公約数を求める整数問題。目安時間は12〜18分。公式出題意図はユークリッドの互除法を題材に整数問題の理解を評価するとしている。素因数を2と3へ絞って指数まで確認する解法と、合同式で一気に An=gcd(n2+2,6) とする解法がある。後者では『共通約数なら6を割る』だけでなく、gcd(n2+2,6) の各約数が後ろ2数も割る逆向きを書く。

冊子PDFで見る京大の整数の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2022年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。