方針
問1は余事象を使い,積が5で割り切れない条件を「n 回すべてで5が出ない」と読み替える。問2は t=33 とおき,分母を 2t2+t+5 として,t3=3 を用いながら逆数を At2+Bt+C 型で探す。積の t2,t,1 の係数を比較し,分母に3乗根が残らない形へ整理する。
解答
問1
出た目の積が5で割り切れるためには,少なくとも1回は5の目が出ればよい。したがって,その余事象は n 回とも5以外の目が出る ことである。1回の試行で5以外の目が出る確率は 5/6 であり,各試行は独立であるから,余事象の確率は (65)n である。よって求める確率は 1−(65)n である。
問2 t=33 とおくと,t3=3 であり,分母は 239+33+5=2t2+t+5 である。分母を有理化するため,(2t2+t+5)(At2+Bt+C)=55 となる A,B,C を求める。
左辺を展開し,t3=3,t4=3t を用いて整理すると(2t2+t+5)(At2+Bt+C)=(5A+B+2C)t2+(6A+5B+C)t+(3A+6B+5C)である。これが定数55に等しいための条件は 5A+B+2C=0,6A+5B+C=0,3A+6B+5C=55 である。この連立方程式を解くと A=−29,B=27,C=219 となる。したがって239+33+555=2−939+733+19である。
別解
解法2(場合の数と乗法公式による方法)
方針
問1は全 6n 通りから5が一度も出ない 5n 通りを引く。問2は a=33 とおき,まず分母に a2−2a+4 を掛けて 11(a2+1) にする。さらに (a2+1)(3a−a2+1)=10 を用い,係数比較をせず乗法公式の積だけで有理化する。
解答
問1
さいころを n 回投げた結果は全部で 6n 通りあり,どれも同様に確からしい。積が5で割り切れないのは,どの回にも5が出ない場合であり,これは 5n 通りである。したがって求める確率は6n6n−5n=1−(65)nである。
問2a=33 とおくと a3=3 であり,分母は 2a2+a+5 となる。まず(2a2+a+5)(a2−2a+4)=2a4−3a3+11a2−6a+20=11(a2+1)である。また(a2+1)(a4−a2+1)=a6+1=10であり,a4=3a より a4−a2+1=3a−a2+1 である。したがって2a2+a+555=a2+15(a2−2a+4)=2(a2−2a+4)(3a−a2+1)=2−9a2+7a+19.よって239+33+555=2−939+733+19である。
総評
目安時間は12分程度。問1は「積が5で割り切れる」を「5が少なくとも1回出る」と読み替えれば,余事象で処理できる。問2は3乗根の有理化で,t3=3 を使って2次以下に戻す計算が中心である。係数比較では定数項が 3A+6B+5C になる点を落としやすい。小問集合だが,理由を省かず書けば確実な得点源になる。 問2は係数比較と乗法公式のどちらでも解ける。乗法公式による方法では,何を掛ければ次数が3の倍数へまとまるかを見通す力が要る。最終式は代入して分母との積が55になることを確認できる。
冊子PDFで見る京大の確率の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 令和5年度一般選抜 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。