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京都大学 2023年度 前期日程 一般選抜文系数学 第5問

整式f(x)が恒等式f(x)+11(xy)2f(y)dy=2x2+x+53を満たすとき,f(x)を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

積分数と式 恒等式比較文字消去定積分評価

方針

積分部分は (xy)2=x22xy+y2 と展開し,I0=f(y)dyI1=yf(y)dyI2=y2f(y)dy という定数で表す。右辺が2次式なので f(x) も2次以下である。f(x)=ax2+bx+c とおき,偶奇性を使って必要な積分値を計算して係数比較する。

解答

I0=11f(y)dy,I1=11yf(y)dy,I2=11y2f(y)dyとおく。すると 11(xy)2f(y)dy=x2I02xI1+I2 である。したがって与えられた恒等式は f(x)+x2I02xI1+I2=2x2+x+53 となる。右辺は2次式であり,積分部分も x の2次式なので,f(x) も2次以下である。

そこで f(x)=ax2+bx+c とおく。このとき,奇関数の積分が0であることを用いると I0=11(ay2+by+c)dy=2a3+2c であり,I1=11(ay3+by2+cy)dy=2b3 である。また I2=11(ay4+by3+cy2)dy=2a5+2c3 である。

恒等式の係数を比較すると a+I0=2,b2I1=1,c+I2=53 である。すなわち a+2a3+2c=2, b4b3=1, c+2a5+2c3=53 となる。これを解くと,まず第2式から b3=1,b=3 である。また残り2式は 5a3+2c=2,2a5+5c3=53 であり,解いて a=0,c=1 を得る。したがって f(x)=3x+1 である。

最後に,求めた候補を確認する。f(x)=3x+1 なら I0=2,I1=2,I2=23 であるからf(x)+11(xy)2f(y)dy=(3x+1)+2x2+4x+23=2x2+x+53となり,確かに条件を満たす。上の係数比較で解は一意に定まっているので,これが求める整式である。

別解

解法2(偶関数部分と奇関数部分に分ける方法)

方針

f を偶関数部分 fe と奇関数部分 fo に分ける。恒等式の奇関数部分だけを比較すると fo は1次式と分かり,積分との自己整合条件から係数が決まる。偶関数部分についても2次式と定数項だけの関係を作り,2つの積分値を使って係数を決める。

解答

fe(x)=f(x)+f(x)2,fo(x)=f(x)f(x)2とおく。またI0=11f(y)dy,I1=11yf(y)dy,I2=11y2f(y)dyとおけば,与式はf(x)+I0x22I1x+I2=2x2+x+53(1)となる。

(1) の奇関数部分を比較するとfo(x)2I1x=xである。したがって fo(x)=cx と書け,c=1+2I1 である。一方I1=11yfo(y)dy=c11y2dy=2c3だからc=1+4c3,c=3.よって fo(x)=3x である。

次に (1) の偶関数部分を比較するとfe(x)+I0x2+I2=2x2+53であるから,fe(x)=Ax2+C と書ける。このときI0=2A3+2C,I2=2A5+2C3であり,係数比較からA+I0=2,C+I2=53.すなわち5A3+2C=2,2A5+5C3=53である。これを解くと A=0,C=1 となる。したがってf(x)=fe(x)+fo(x)=13xである。

総評

目安時間は18分程度。積分方程式に見えるが,核 (xy)2 を展開すると,積分部分は x の2次式にしかならない。したがって f も2次以下と分かるのが第一のポイントである。係数比較では [1,1] 上の奇関数の積分が0になることを使うと計算が軽い。候補を代入して確認するだけでは一意性が弱いので,2次以下に落としたうえで係数を決める流れを明示したい。 偶奇分解を使うと,1次の奇関数部分と2次以下の偶関数部分を独立に処理できる。積分記号の中のf(y)も偶奇分解されるため,奇関数の対称区間積分が0になる箇所を明示すると論理が読みやすい。

冊子PDFで見る京大の積分の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 令和5年度一般選抜 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。