Evolton

京都大学 2023年度 前期日程 一般選抜文系数学 第3問

(1) cos2θcos3θcosθの式として表せ.

(2) 半径1の円に内接する正五角形の一辺の長さが
1.15より大きいか否かを理由を付けて判定せよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安18

三角関数図形と方程式 式変形、三角比の利用不等式評価

方針

(1) は加法定理から倍角・3倍角を cosθ だけで表す。(2) は正五角形の一辺を中心角 2π/5 の弦として扱い,l2=22cos(2π/5) を求める。u=cos(π/5) とおくと,(1)の公式と cos(3π/5)=cos(2π/5) から u が決まる。最後は小数ではなく 1.15=23/20 として平方比較を行う。

解答

(1) c=cosθ とおく。倍角公式より cos2θ=2cos2θ1=2c21 である。また加法定理を用いるとcos3θ=cos(2θ+θ)=cos2θcosθsin2θsinθ=(2c21)c2sin2θc=(2c21)c2(1c2)c=4c33cである。したがってcos2θ=2cos2θ1,cos3θ=4cos3θ3cosθである。

(2)
半径1の円に内接する正五角形の一辺の長さを l とする。隣り合う頂点を結ぶ弦に対応する中心角は 2π5 であるから,余弦定理より l2=12+122cos2π5=22cos2π5 である。 u=cosπ5 とおく。0<π/5<π/2 より u>0 である。また cos3π5=cos2π5 であり,(1)から cos3π5=4u33u,cos2π5=2u21 である。したがって 4u33u=(2u21) すなわち 4u3+2u23u1=0 である。左辺は (u+1)(4u22u1) と因数分解できる。u>0 なので u=1 は不適であり,4u22u1=0 を解いて u=1+54 を得る。よって cos2π5=2u21=514 である。

したがって l2=22514=552 である。ここで 1.15=2320 だから,l>1.15 かどうかは 552>529400 を調べればよい。これは 10002005>529 すなわち 471>2005 と同値である。両辺は正であり,4712=221841>200000=(2005)2 だから,確かに 471>2005 である。よって l>1.15 であり,正五角形の一辺の長さは 1.15 より大きい。

別解

解法2(正五角形と円の幾何による方法)

方針

(1) は倍角公式を繰り返して求める。(2) は正五角形の一辺を l,対角線を d とする。円に内接する四角形にトレミーの定理を使って d/l を求め,三角形の外接円半径が1であることから l2 を決める。最後は 1.15=23/20 と正確に比較する。

解答

(1) cos2θ=2cos2θ1である。また cos3θ=2cosθcos2θcosθ だからcos3θ=2cosθ(2cos2θ1)cosθ=4cos3θ3cosθである。

(2)
正五角形を ABCDE とし,一辺の長さを l,対角線の長さを d とする。

円に内接する四角形 ABCD にトレミーの定理を用いるとd2=l2+ldである。r=d/l とおけば r2r1=0 であり,r>0 だからr=1+52となる。

三角形 ABC は二辺が l,底辺が d の二等辺三角形で,その外接円半径は1である。底辺 AC への高さを h とすると,面積は dh/2 である。外接円半径の公式 R=abc/(4S) より1=l2d4(dh/2)=l22h,h=l22である。一方,三平方の定理からh2=l2d24=l2(1r24)である。これらを合わせ,l>0 に注意するとl2=4r2=43+52=552を得る。

ここでl2(2320)2=4712005400である。両辺が正であることに注意して平方すると4712=221841>200000=(2005)2 だから,471>2005 である。よって l2>(23/20)2,したがって l>1.15 である。

総評

目安時間は18分程度。(1) の公式はそのまま(2)の計算に使うので,3倍角の導出を丁寧に書きたい。(2) は正五角形の辺を弦として見ること,cos(2π/5) を求めるために u=cos(π/5) を導入することがポイントである。最後の比較は小数近似で済ませず,23/20 に直して平方比較を行うと,誤差のない判定になる。 別解は正五角形の対角線比をトレミーの定理で求める幾何的な方法である。どちらの解法でも,小数近似ではなく正確な不等式で1.15との大小を決めることが答案の核心になる。

冊子PDFで見る京大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 令和5年度一般選抜 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。