方針
同じ桁数をdとする。底が大きいほど同じ数の桁数は短くなりやすいので,3つの底でd桁になるための条件は,最大の下限10d−1以上,最小の上限8d−1以下であること,つまり10d−1≦N≦8d−1に集約される。固定したdで最大の候補は8d−1である。存在条件10d−1<8dを対数で調べ,最大のdが10であることを示す。
解答
ある自然数をNとし,八進法,九進法,十進法での桁数がすべてdであるとする。底bでd桁である条件は bd−1≦N≦bd−1 である。
ここで8<9<10なので,3つの底で同時にd桁になるためには 10d−1≦N≦8d−1 であることが必要十分である。したがって,そのようなNが存在するための条件は 10d−1≦8d−1 である。固定したdで最大のNは8d−1であるから,まず可能な最大のdを求めればよい。
10d−1≦8d−1が成り立つには,特に 10d−1<8d が必要であり,これは d−1<dlog108 すなわち d(1−log108)<1 と同値である。
与えられた評価より 0.9030<log108=3log102<0.9033 である。したがって 0.0967<1−log108<0.0970 である。
d=10のときは 10(1−log108)<10⋅0.0970=0.970<1 であるから,109<810となる。両辺は整数なので 109≦810−1 であり,d=10は可能である。
一方,d=11のときは 11(1−log108)>11⋅0.0967=1.0637>1 であるから,1010<811は成り立たない。したがってd=11は不可能である。またd(1−log108)はdとともに増加するので,それ以上のdも不可能である。
よって最大の桁数はd=10であり,求める最大の自然数は 810−1 である。計算して 810=230=1073741824 だから,1073741823 である。
別解
解法2(整数値による別解)
方針
共通桁数dの存在条件を得た後,810と811を整数として直接比較する。d=11以後は8d/10d−1が1段ごとに8/10倍になることから,一括して不可能と示す。
解答
同じ桁数をdとすると,必要十分条件は10d−1≦N≦8d−1である。d=10では810−1=1073741823≧109だから実現できる。一方,d=11では811=8589934592<1010なので実現できない。さらにd≧11について8d/10d−18d+1/10d=108<1であるから,一度8d<10d−1となった後はすべて不可能である。したがって最大のdは10で,固定したdで最大の数は8d−1だから,求める数は1073741823である。
総評
底ごとの桁数条件を共通の不等式へまとめる整数・対数問題。目安時間は15分。3つの底で同じd桁になる条件は,最も大きい下限10d−1と最も小さい上限8d−1だけを見ればよい。主解では与えられた対数評価を使い,別解では810と811の整数値および比8/10を使って最大桁数を確定した。
公式出題意図との対応:公式は整数の性質,指数・対数を題材に,条件を式で表現し,必要十分条件を論じる力を見るとしている。解答では存在条件10d−1≦8d−1を明示した。
出典確認:公式問題PDF第3ページの文系第4問と原寸照合済み。公式資料は出題意図のみである。公式URLの保存版を用いた。
独立検算:810−1=1073741823が8・9・10進法でいずれも10桁であることを整数比較で確認した。811<1010で11桁は不可能であり,以後の比は1段ごとに0.8倍となる。
冊子PDFで見る京大の整数の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 令和6年度一般選抜 数学(文系) 公式問題・出題意図等(大学公式の問題PDF(3ページ))。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。