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九州大学 1981年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

袋の中に白玉がa個,赤玉がb個,黒玉がc個入っている.
ただしa1b1c1a+b+c=12とする.
AB 2人が交互にこの袋の中から玉を1個取り出し,玉の色を調べて袋の中に戻す.
Aは白玉を取り出したら勝ち,Bは赤玉を取り出したら勝ちとし,
ABのいずれかが勝てば,ゲームは終了するものとする.
このゲームをまずAから先に始めることにする.
したがって,奇数回目はA,偶数回目はBが玉を取り出すことになる.このとき,

(1) 1回目でAが勝つ確率p1,および2回目でBが勝つ確率q1を求めよ.

(2) (2n1)回目でAが勝つ確率pnを求めよ.

(3) 2n回目でBが勝つ確率qnを求めよ.

(4) 無限級数の和S=p1+p2++pn+,T=q1+q2++qn+abで表せ.

(5) a3b4のとき,S=Tとなる(a,b)の組をすべて求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安31

確率数列 確率漸化式状態分類和の計算

方針

2回を1周期として、Aが白を引かず、Bが赤を引かない確率を共通比 r とする。すると pn,qn はいずれも等比数列になるので、無限等比和で S,T を求める。最後は S=T12a=b(12a) に直し、a3, b4, a+b11 の整数条件で絞る。

解答

(1)
1回目で A が勝つには、白玉を取り出せばよい。したがって p1=a12 である。
2回目で B が勝つには、1回目に A が白玉を取り出さず、2回目に B が赤玉を取り出す必要がある。玉は毎回戻すので各回の確率は変わらない。よって q1=12a12b12=b(12a)144 である。

(2)
2回を1周期として考える。1周期でゲームが終わらない確率は、A が白を引かず、さらに B が赤を引かない確率なので r=12a1212b12=(12a)(12b)144 である。 (2n1) 回目で A が勝つには、その前の n1 周期でゲームが終わらず、次に A が白玉を引けばよい。したがってpn=rn1a12={(12a)(12b)144}n1a12である。

(3) 2n 回目で B が勝つには、その前の n1 周期でゲームが終わらず、さらにその周期の A が白玉を引かず、続いて B が赤玉を引けばよい。よって qn=rn112a12b12 であり、qn={(12a)(12b)144}n1b(12a)144である。

(4) a,b1 なので 0r<1 であり、無限等比級数の和を使える。 1r=1(12a)(12b)144=12a+12bab144 である。したがってS=n=1pn=a/121r=12a12a+12babであり、T=n=1qn=b(12a)/1441r=b(12a)12a+12babである。

(5) S=T は分母が共通なので 12a=b(12a) と同値である。よって b=12a12a である。
また c1, a+b+c=12 より a+b11 である。さらに a3, b4 なので、調べるべき a3a7 に限られる。a3456712a12a4660712845である。このうち整数で、かつ a+b11 を満たすものは (a,b)=(3,4),(4,6) である。

別解

解法2(交互の状態方程式で考える)

方針

(1) 〜(3) はAの手番・Bの手番の二状態を往復する確率として整理する。
(4) ではAの手番から最終的にAが勝つ確率を S、Bの手番からAが勝つ確率を
U とおき、二つの状態方程式を解く。T=1S も確認する。
(5) は S=T を積 (12a)(12+b)=144 に変形し、因数対で整数条件を絞る。

解答

(1) p1=a12,q1=b(12a)144.(2) AもBも勝たず、次のAの手番へ戻る確率をr=12a1212b12=(12a)(12b)144,pn=rn1a12とおく。pn は最初の n1 周期が未決着で、その直後にAが勝つ確率である。

(3) 同じ n1 周期の後、Aが白を引かずBが赤を引くのでqn=rn1b(12a)144.(4) Aの手番から最終的にAが勝つ確率を S、Bの手番から
最終的にAが勝つ確率を U とする。最初の一回に注目してS=a12+12a12U,U=12b12S,S=12a12a+12bab,T=1S=b(12a)12a+12bab.ここで 0r<1 なのでlimnrn=0であり、
ゲームが無限に続く確率は零である。

(5) S=T12a=b(12a)、すなわち
(12a)(12+b)=144 と同値である。
u=12a, v=12+b とおけば uv=144 であり、
a3, b4 から u9, v16 である。
c1 から vu11 も必要である。144 の因数対を調べると(u,v)=(8,18),(9,16),(a,b)=(4,6),(3,4).

総評

交互試行を等比数列または二状態の遷移として扱う確率問題。目安時間は31分。Aの失敗とBの失敗を一周期にまとめ、初項の違いを区別する。最後は c1 から a+b11 を使い、整数条件まで絞る。
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出典: 九州大学 1981年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。