方針
偶数点である確率を、直前が偶数で裏が出る場合と、直前が奇数で表が出る場合に分けて漸化式を作る。求めた一次漸化式は固定値 1/2 を引くと等比数列になるので、初期値 a0=1 から一般項を出し、最後に ∣1−2p∣<1 で極限を取る。
解答
(1) n−1 回投げた後の点数が偶数である確率は an−1 であり、奇数である確率は 1−an−1 である。 n 回目の後に偶数になるのは、次の2通りである。 偶数点から裏が出る または 奇数点から表が出る である。裏が出る確率は 1−p、表が出る確率は p なので an=an−1(1−p)+(1−an−1)p である。これを整理して an=an−1(1−2p)+p を得る。
(2)
上の漸化式から an−21=(1−2p)(an−1−21) である。0回投げた時点では点数は 0 で偶数だから a0=1 である。したがって a0−21=21 であり、等比数列として an−21=21(1−2p)n となる。よって an=21+21(1−2p)n である。
(3) 0<p<1 より −1<1−2p<1 である。したがって (1−2p)n→0 となるのでn→∞liman=21である。
表で偶奇が反転し、裏では状態が変わらない
別解
解法2
方針
n 回中の表の回数は二項分布に従う。偶数回の項だけを取り出すため、
二項展開で p をそのまま代入した式と、−p を代入した式を
加える。一般項と極限を直接得た後、漸化式にも代入して確認する。
解答
(1)
最後が裏なら直前も偶数、最後が表なら直前は奇数だからan=(1−p)an−1+p(1−an−1)=(1−2p)an−1+p.(2)
n 回中ちょうど j 回表が出る確率はnCjpj(1−p)n−jである。二項展開よりj=0∑nnCjpj(1−p)n−j=1であり、また p を −p に替えるとj=0∑nnCj(−p)j(1−p)n−j=(1−2p)n.2式を加えると奇数 j の項が消える。したがってan=21+(1−2p)n.(3)
0<p<1 なら ∣1−2p∣<1 なのでn→∞liman=21.
総評
偶奇だけに注目すれば、状態は2つしかない確率漸化式になる。目安時間は12分。直前の偶奇で場合分けし、1/2 を引いて等比型に直すところまで書けば、一般項と極限は自然に出る。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。
冊子PDFで見る九大の確率の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1984年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。