Evolton

九州大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

表が出る確率がp (0<p<1)である硬貨を投げて,
表が出たら点数を1点増やし,裏が出たら点数をそのままとするゲームを考える.
0点から始めて,硬貨をn回投げたあとでの点数が偶数である確率をanとする.

(1) an=an1(12p)+p (n2)が成立することを示せ.

(2) anpを用いて表せ.

(3) limnanを求めよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安12

確率数列 確率漸化式漸化式の変形極限計算

方針

偶数点である確率を、直前が偶数で裏が出る場合と、直前が奇数で表が出る場合に分けて漸化式を作る。求めた一次漸化式は固定値 1/2 を引くと等比数列になるので、初期値 a0=1 から一般項を出し、最後に 12p<1 で極限を取る。

解答

(1) n1 回投げた後の点数が偶数である確率は an1 であり、奇数である確率は 1an1 である。 n 回目の後に偶数になるのは、次の2通りである。 偶数点から裏が出る または 奇数点から表が出る である。裏が出る確率は 1p、表が出る確率は p なので an=an1(1p)+(1an1)p である。これを整理して an=an1(12p)+p を得る。

(2)
上の漸化式から an12=(12p)(an112) である。0回投げた時点では点数は 0 で偶数だから a0=1 である。したがって a012=12 であり、等比数列として an12=12(12p)n となる。よって an=12+12(12p)n である。

(3) 0<p<1 より 1<12p<1 である。したがって (12p)n0 となるのでlimnan=12である。

表で偶奇が反転し、裏では状態が変わらない

別解

解法2

方針

n 回中の表の回数は二項分布に従う。偶数回の項だけを取り出すため、
二項展開で p をそのまま代入した式と、p を代入した式を
加える。一般項と極限を直接得た後、漸化式にも代入して確認する。

解答

(1)
最後が裏なら直前も偶数、最後が表なら直前は奇数だからan=(1p)an1+p(1an1)=(12p)an1+p.(2)
n 回中ちょうど j 回表が出る確率はnCjpj(1p)njである。二項展開よりj=0nnCjpj(1p)nj=1であり、また pp に替えるとj=0nnCj(p)j(1p)nj=(12p)n.2式を加えると奇数 j の項が消える。したがってan=1+(12p)n2.(3)
0<p<1 なら 12p<1 なのでlimnan=12.

総評

偶奇だけに注目すれば、状態は2つしかない確率漸化式になる。目安時間は12分。直前の偶奇で場合分けし、1/2 を引いて等比型に直すところまで書けば、一般項と極限は自然に出る。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

冊子PDFで見る九大の確率の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1984年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。