方針
確率の総和と期待値に現れる和を、それぞれ部分分数分解して求める。(3)は期待値を実数変数の関数とみなし、微分して増減を調べる。
解答
(1)n3−n1=2(n−1)1−n1+2(n+1)1.したがってn=2∑k+1n3−n1=4(k+1)(k+2)k(k+3).確率の総和が1であることからa=k(k+3)4(k+1)(k+2).(2)E(X)n2−11=an=2∑k+1n2−11,=21(n−11−n+11).よってn=2∑k+1n2−11=4(k+1)(k+2)k(3k+5)でありE(X)=k+33k+5.(3)E(Y)=4E(X)−logk=12−k+316−logk.右辺を F(k) とし、k>0 の実数で微分するとF′(k)=(k+3)216−k1=−k(k+3)2(k−1)(k−9).したがって 1<k<9 で増加し、k>9 で減少する。よって最大にする自然数はk=9.
別解
解法2(望遠和と整数差分を使う)
方針
和を前後の項の差へ直して端の項だけを残す。(3)は隣り合う自然数での期待値の差をとり、対数を定積分として上下から評価する。
解答
(1) 恒等式n3−n1=21{n(n−1)1−n(n+1)1}を用いて和を取る。各分数をさらに前後の項の差に直して整理するとn=2∑k+1n3−n1=4(k+1)(k+2)k(k+3).よってa=k(k+3)4(k+1)(k+2).(2) 期待値ではE(X)=an=2∑k+1(n−1)(n+1)1.前後2項の差として和を取りE(X)=k+33k+5.(3) F(k)=E(Y) とおけばF(k)=12−k+316−logkでありF(k+1)−F(k)=(k+3)(k+4)16−log(1+k1).ここでlog(1+k1)=∫kk+1xdx.1/x のグラフと中点・台形の関係から2k+12<log(1+k1)<2k(k+1)2k+1.2≦k≦7 ではlog(1+k1)<k1<(k+3)(k+4)16.k=1,8 も上の台形評価を代入すれば差は正である。したがって F(1)<F(2)<⋯<F(9) である。
一方、k≧9 ではlog(1+k1)>2k+12>(k+3)(k+4)16だから F(k+1)<F(k) である。よって最大にする自然数はk=9.
総評
難度7、計算量6、目安35分。確率の総和と期待値で分母が一つ変わるため、二つの部分分数分解を混同しないことが重要である。最大化は連続関数として微分する方法に加え、自然数上の差分を対数積分の中点・台形評価で判定する方法も示した。双方で k=9 を独立に確認した。
冊子PDFで見る九大の確率の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。