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九州大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

abcを実数とするとき,次の不等式を示せ.

(1) 11(x3+ax2+bx+c)2dx11(x3+bx)2dx

(2) 11(x3+bx)2dx11(x335x)2dx

難易度5/ 10計算量4/ 10目安14

積分方程式・不等式 不等式評価、微積分の対称性、微分による最大最小

方針

(1)x3+bx を奇関数部分、ax2+c を偶関数部分として分ける。対称区間 [1,1] では奇関数と偶関数の積の積分が 0 になるので、差は平方の積分として非負になる。(2) は b だけの二次式にして、平方完成または頂点で最小値を求める。

解答

(1)
まず x3+ax2+bx+c=(x3+bx)+(ax2+c) と分ける。ここで x3+bx は奇関数、ax2+c は偶関数である。したがって、その積 (x3+bx)(ax2+c) は奇関数であり、
対称区間では11(x3+bx)(ax2+c)dx=0となる。

よって11(x3+ax2+bx+c)2dx=11(x3+bx)2dx+211(x3+bx)(ax2+c)dx+11(ax2+c)2dxであるから、11(x3+ax2+bx+c)2dx=11(x3+bx)2dx+11(ax2+c)2dxを得る。右辺第2項は平方の積分なので 0 以上である。したがって11(x3+ax2+bx+c)2dx11(x3+bx)2dxである。

(2) I(b)=11(x3+bx)2dxとおく。展開するとI(b)=11(x6+2bx4+b2x2)dxである。偶関数の積分なので I(b)=27+45b+23b2 となる。

これを平方完成すると I(b)=23(b+35)2+I(35) である。したがって任意の実数 b について I(b)I(35) が成り立つ。すなわち11(x3+bx)2dx11(x335x)2dxである。

奇関数と偶関数の積は奇関数になり、対称区間で交差項が消える

別解

解法2

方針

積分を内積のように扱う。(1) は奇関数部分と偶関数部分の交差項が
消えることを使う。(2) は x33x/5x の交差項も
0になることを直接計算し、どちらも平方の積分を加える形にする。

解答

(1)
u=x3+bx, v=ax2+c とおく。u は奇関数、v
偶関数だから11uvdx=0.よって11(u+v)2dx=11u2dx+11v2dx11u2dx.(2)
w=x335x とおく。すると11wxdx=11(x435x2)dx=253523=0.またx3+bx=w+(b+35)x.したがって11(x3+bx)2dx=11w2dx+(b+35)211x2dx11w2dx.これが求める不等式である。

総評

対称区間での奇関数・偶関数の分離が主題である。目安時間は14分。(1) で交差項が消える理由を言葉で書き、(2) で b の二次式を平方完成すれば、計算量はかなり抑えられる。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

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出典: 九州大学 1984年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。