方針
A=an/(n+1) とおいて、まず2曲線の上下関係と交点を明確にする。交点の x 座標は ±a1/(n+1) であり、上下の差は A−x2n/A なので偶関数として積分できる。第2問では、a+1 に置き換えた図形が横にも縦にも広がることを確認し、求める部分が D2 から D1 を除いた面積であると判断する。相似的な拡大率から面積が a に比例することを見る別解も自然である。
解答
(1) A=an+1n とおく。すると2曲線は C1:y=2Ax2n,C2:y=A−2Ax2n である。交点では 2Ax2n=A−2Ax2n だから x2n=A2=an+12n である。よって ∣x∣=an+11 となる。
区間 ∣x∣<a1/(n+1) では C2 が上側、C1 が下側である。したがって D1 の面積を S1 とするとS1=∫−a1/(n+1)a1/(n+1)(A−Ax2n)dxである。被積分関数は偶関数なのでS1=2∫0a1/(n+1)(A−Ax2n)dxとなる。ここで L=a1/(n+1) とおくと、AL=a、L2n+1/A=a であるからS1=2(AL−(2n+1)AL2n+1)=2(a−2n+1a)である。よって S1=2n+14na である。
(2) D2 は (1) の a を a+1 に置き換えた図形である。したがってその面積を S2 とすると S2=2n+14n(a+1) である。
また a+1>a であるから(a+1)n+11>an+11,(a+1)n+1n>an+1nである。さらに、同じ x に対して下側の曲線 x2n/(2A) は A が大きいほど低くなり、上側の曲線 A−x2n/(2A) は A が大きいほど高くなる。したがって D1⊂D2 である。
よって、D1 の外部と D2 の内部との共通部分は、D2 から D1 を除いた部分であり、その面積は S2−S1=2n+14n(a+1)−2n+14na=2n+14n である。
別解
解法2(相似拡大)
方針
a=1 の図形を基準にする。一般の a は横方向に a1/(n+1) 倍、縦方向に an/(n+1) 倍した図形なので、面積は a 倍になる。包含関係も同じ変形から確認する。
解答
(1)
a=1 のときの座標を (u,v) とする。変換x=a1/(n+1)u,y=an/(n+1)vを行うと2an/(n+1)x2n=an/(n+1)2u2nとなるので、a=1 の2曲線はそのまま C1,C2 へ移る。横と縦の倍率の積はa1/(n+1)an/(n+1)=aだから、面積も a 倍される。
a=1 の図形の面積は2∫01(1−u2n)du=2(1−2n+11)=2n+14n.したがって∣D1∣=2n+14na.(2)
D2 は同じ基準図形を横に (a+1)1/(n+1) 倍、縦に (a+1)n/(n+1) 倍したものである。同じ x では D2 の下側境界が D1 より低く、上側境界が高く、左右の端も外側にあるので D1⊂D2 である。
よって求める面積は∣D2∣−∣D1∣=2n+14n(a+1)−2n+14na=2n+14n.
総評
指数を含む2曲線の面積と包含関係を扱う問題で、目安は18分。交点の指数計算を丁寧に行う。横倍率と縦倍率の積がaになる相似拡大を見抜けば、(2)の差がaに依存しない理由も明確になる。
冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1987年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。