方針
2つの放物線の交点をまず求め、どちらが上側かを x=0 で確認して斜線部分を決める。回転体の体積は、上側の半径の2乗から下側の半径の2乗を引いて積分する。交点は −1/(1−a) と 1/(1+a) で、体積は (ax−1)4−x4 の積分になる。端点を使って整理すると Va が得られ、最後に a→0 の極限を取る。
解答
(1)
2つの曲線の交点を求める。方程式は x2=a2(x−a1)2=(ax−1)2 である。したがって x=ax−1またはx=−(ax−1) である。これを解くと x=−1−a1,x=1+a1 となる。ここで 0<a<1 であるから、左の交点は負、右の交点は正である。
上下関係を確認するために x=0 を代入する。すると x2=0,(ax−1)2=1 であるから、2つの交点の間では (ax−1)2≧x2 であり、上側が y=(ax−1)2、下側が y=x2 である。したがって概形は、上に開く2つの放物線が x=−1−a1,x=1+a1 で交わり、その間に囲まれる部分を斜線で示せばよい。
(2)
斜線部分を x 軸のまわりに回転する。上側の半径が (ax−1)2、下側の半径が x2 であるから、体積 Va は Va=π∫−1/(1−a)1/(1+a){(ax−1)4−x4}dx である。積分を実行するため、∫{(ax−1)4−x4}dx=5a(ax−1)5−5x5 を用いる。端点を代入する。
まず x=1+a1 では ax−1=1+aa−1=−1+a1 であるから、5a(ax−1)5−5x5=−5a(1+a)51−5(1+a)51=−5a(1+a)51+a=−5a(1+a)41.次に x=−1−a1 では ax−1=−1−aa−1=−1−a1 であるから、5a(ax−1)5−5x5=−5a(1−a)51+5(1−a)51=5a(1−a)5a−1=−5a(1−a)41.したがってVa=π{−5a(1+a)41+5a(1−a)41}=5aπ⋅(1−a2)4(1+a)4−(1−a)4.ここで (1+a)4−(1−a)4=8a+8a3=8a(1+a2) であるから、Va=5(1−a2)48π(1+a2) である。よって a→0limVa=58π となる。
別解
解法2(2つの積分を別々に置換する)
方針
交点を L,R とし、回転体の外側と内側の体積を別々に積分する。一方は u=ax-1、他方はそのまま積分し、端点で同じ形の4乗差にまとめる。
解答
(1)
交点はL=−1−a1,R=1+a1であり、L<x<R では (ax−1)2 が x2 より上にある。
(2)
したがってVa=π{∫LR(ax−1)4dx−∫LRx4dx}.第1積分では u=ax−1 とおくと∫LR(ax−1)4dx=5a1{(1−a)51−(1+a)51}.また∫LRx4dx=51{(1+a)51+(1−a)51}.整理するとVa=5aπ{(1−a)41−(1+a)41}=5(1−a2)48π(1+a2).よってa→0limVa=58π.
総評
難易度は6、計算量は7程度である。想定時間は22分から32分程度。交点計算そのものは標準的だが、回転体の半径が関数値であり、体積ではその2乗を使うため、(ax−1)4−x4 になる点を落としやすい。上下関係は図の見た目だけでなく、x=0 の値で確認しておくと答案が安定する。積分では端点代入の符号が最も危険で、特に左端で x5 が負になることを丁寧に書きたい。極限は完成した式に代入するだけなので、そこまで式を整理し切ることが得点の中心である。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・除外点・符号も確認した。
冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1985年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。