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九州大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

xy平面上の2つの曲線y=x2y=a2(x1a)2 (0<a<1)について,
次の(1),(2)に答えよ.

(1) 上の2つの曲線の概形をかき,この2つの曲線が囲む部分を斜線で示せ.

(2) (1)の斜線部分をx軸のまわりに1回転させて得られる回転体の体積Vaを求めよ.
さらに,lima0Vaを求めよ.

難易度6/ 10計算量7/ 10目安25

積分図形と方程式 体積計算文字消去極限計算

方針

2つの放物線の交点をまず求め、どちらが上側かを x=0 で確認して斜線部分を決める。回転体の体積は、上側の半径の2乗から下側の半径の2乗を引いて積分する。交点は 1/(1a)1/(1+a) で、体積は (ax1)4x4 の積分になる。端点を使って整理すると Va が得られ、最後に a0 の極限を取る。

解答

(1)
2つの曲線の交点を求める。方程式は x2=a2(x1a)2=(ax1)2 である。したがって x=ax1またはx=(ax1) である。これを解くと x=11a,x=11+a となる。ここで 0<a<1 であるから、左の交点は負、右の交点は正である。

上下関係を確認するために x=0 を代入する。すると x2=0,(ax1)2=1 であるから、2つの交点の間では (ax1)2x2 であり、上側が y=(ax1)2、下側が y=x2 である。したがって概形は、上に開く2つの放物線が x=11a,x=11+a で交わり、その間に囲まれる部分を斜線で示せばよい。

(2)
斜線部分を x 軸のまわりに回転する。上側の半径が (ax1)2、下側の半径が x2 であるから、体積 VaVa=π1/(1a)1/(1+a){(ax1)4x4}dx である。積分を実行するため、{(ax1)4x4}dx=(ax1)55ax55 を用いる。端点を代入する。

まず x=11+a では ax1=a1+a1=11+a であるから、(ax1)55ax55=15a(1+a)515(1+a)5=1+a5a(1+a)5=15a(1+a)4.次に x=11a では ax1=a1a1=11a であるから、(ax1)55ax55=15a(1a)5+15(1a)5=a15a(1a)5=15a(1a)4.したがってVa=π{15a(1+a)4+15a(1a)4}=π5a(1+a)4(1a)4(1a2)4.ここで (1+a)4(1a)4=8a+8a3=8a(1+a2) であるから、Va=8π(1+a2)5(1a2)4 である。よって lima0Va=8π5 となる。

別解

解法2(2つの積分を別々に置換する)

方針

交点を L,R とし、回転体の外側と内側の体積を別々に積分する。一方は u=ax-1、他方はそのまま積分し、端点で同じ形の4乗差にまとめる。

解答

(1)

交点はL=11a,R=11+aであり、L<x<R では (ax1)2x2 より上にある。

(2)

したがってVa=π{LR(ax1)4dxLRx4dx}.第1積分では u=ax1 とおくとLR(ax1)4dx=15a{1(1a)51(1+a)5}.またLRx4dx=15{1(1+a)5+1(1a)5}.整理するとVa=π5a{1(1a)41(1+a)4}=8π(1+a2)5(1a2)4.よってlima0Va=8π5.

総評

難易度は6、計算量は7程度である。想定時間は22分から32分程度。交点計算そのものは標準的だが、回転体の半径が関数値であり、体積ではその2乗を使うため、(ax1)4x4 になる点を落としやすい。上下関係は図の見た目だけでなく、x=0 の値で確認しておくと答案が安定する。積分では端点代入の符号が最も危険で、特に左端で x5 が負になることを丁寧に書きたい。極限は完成した式に代入するだけなので、そこまで式を整理し切ることが得点の中心である。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・除外点・符号も確認した。

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出典: 九州大学 1985年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。