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九州大学 1988年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

XYは互いに独立な確率変数である.
Xは1と5の値,Yは1と3の値をとる.
X=1である確率をp (0p1)
Y=1である確率をq (0q1)とし,
Z=XYとする.

(1) Zの確率分布を求めよ.

(2) Z0となる確率をP (Z0)とする.
P (Z0)pqで表せ.

(3) Zの期待値(平均)をE(Z)とする.
E(Z)pqで表せ.

(4) {P(Z0)12E(Z)0
満たす点(p,q)の集合を図示せよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安16

確率方程式・不等式 状態分類、期待値、範囲評価

方針

独立性から (X,Y) の4通りを表にし、Z の分布を作る。確率は負になる1事象の補集合、期待値は E(X)E(Y) で求め、最後に単位正方形内で曲線の上側と直線の下側を重ねる。

解答

(1) XY は独立であるから、同時に起こる確率はそれぞれの確率の積で求められる。可能性を表にするとXYZ=XY確率110pq132p(1q)514(1p)q532(1p)(1q)である。したがって Z の確率分布はZ2024Pp(1q)pq(1p)(1q)(1p)qである。

(2) Z<0 となるのは X=1,Y=3 のときだけである。よって P(Z0)=1P(Z<0)=1p(1q) である。すなわち P(Z0)=1p+pq である。

(3)
期待値の線形性より E(Z)=E(X)E(Y) である。ここで E(X)=1p+5(1p)=54p, E(Y)=1q+3(1q)=32q だから E(Z)=24p+2q である。

(4)
まず P(Z0)121p+pq12 すなわち p(1q)12 である。p=0 ではこの条件は成り立つが、後で見る E(Z)0 と両立しない。p>0 では q112p である。

次に E(Z)024p+2q0 より q2p1 である。0q1 と合わせると、この不等式を満たすには p12 が必要である。

したがって求める集合は、単位正方形 0p1,0q1 の中で 12p1,112pq2p1 を満たす部分である。図では、曲線 q=112p の上側、直線 q=2p1 の下側、かつ 12p1 の範囲を塗ればよい。境界はすべて含まれる。両境界は p=12,q=0 で接し、p=1 では q=12 から q=1 までの縦の線分が領域に含まれる。

別解

解法2

方針

確率樹形図で4事象を整理する。(2)以降は事象 Z<0 と期待値を直接式にし、二つの境界の大小関係を確かめて、領域の左端・右端・含まれる境界を決める。

解答

(1)
最初の枝を X=1,5、次の枝を Y=1,3 とする確率樹形図を考える。
独立性から各枝の積を取ればZ2024Pp(1q)pq(1p)(1q)(1p)qである。

(2)
Z<0X=1,Y=3 の場合だけなのでP(Z0)=1p(1q)=1p+pq.(3)E(X)=p+5(1p)=54p,E(Y)=q+3(1q)=32qよりE(Z)=E(X)E(Y)=24p+2q.(4)
二条件はそれぞれq112p,q2p1.後者と q0 から p1/2 が必要である。
1/2p1 では(2p1)(112p)=(2p1)22p0,だから上下の境界の間には必ず点がある。よって求める領域は12p1,112pq2p1.境界を含み、左端は (1/2,0)p=1 では 1/2q1 である。

総評

2値確率変数の分布、期待値、領域図示を一続きに処理する問題である。分布表を最初に作れば、(2)以降の条件はほぼ機械的に読める。図示では p,q の範囲が単位正方形であること、P(Z0)12 は曲線の上側、E(Z)0 は直線の下側になることを取り違えやすい。特に q2p1 から p12 が必要になる点を明示すると、領域の左端がはっきりする。目安時間は16分。 採点上は、方針の根拠、条件から決まる範囲、境界・等号条件、最終結論を別々に明記したい。 2解法を照合すると、符号や領域の向き、候補の除外を自己検算できる。

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出典: 九州大学 1988年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。