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九州大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問(理系 第3問)

4枚の硬貨を投げる試行を考える.
表の出た枚数をx,裏の出た枚数をyとする.
x>yならば右に1歩,x<yならば左に1歩進み,x=yのときはその場にとどまる.

(1) 3回の試行の後,初めにいた場所から右に1歩進んだ所にいる確率を求めよ.

(2) 3回の試行の後,初めにいた場所から右にk(k=1,2,3)離れている場合の得点はkとし,
それ以外の場合の得点は0とする.
得点の期待値を求めよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安18

確率 状態分類、独立性の利用、期待値

方針

1回の試行を右 R、左 L、停止 S の3状態に分類し、それぞれの確率を先に求める。3回後の位置は R,L,S の個数で決まるので、(1) は合計変位が 1 になる並びを数える。(2) は右へ 1,2,3 歩の確率をそれぞれ求め、得点を掛けて足す。

解答

(1)
4枚の硬貨で表が裏より多いのは、表が3枚または4枚のときである。したがって1回の試行で右へ進む確率は4C3+4C424=4+116=516である。左へ進む確率も同じく 5/16 であり、停止する確率は 4C224=616=38 である。

右、左、停止をそれぞれ R,L,S と書く。3回後に右へ1歩の位置にいるには、R,S,S が並ぶ場合、または R,R,L が並ぶ場合である。よって求める確率は3516(38)2+3(516)3=540+3754096=9154096である。

(2)
右へ3歩の位置にいるのは3回とも R の場合なので、その確率は (516)3=1254096 である。右へ2歩の位置にいるのは R,R,S が並ぶ場合なので、確率は 3(516)238=4504096 である。右へ1歩の位置にいる確率は (1) より 915/4096 である。

したがって得点の期待値は19154096+24504096+31254096=21904096=10952048である。

別解

解法2:変位多項式の係数を読む

方針

1回の変位 1,0,1 と確率を z の式へまとめる。3乗したときの
z,z2,z3 の係数が右へ1,2,3歩の確率なので、係数を数えて期待値を出す。

解答

1回の変位を表す式はF(z)=5z+6+5z116.したがって3回後の変位分布は F(z)3 の係数で読める。

(1)
z1 の係数の分子は3562+3525=540+375=915なので、求める確率は9154096.(2)
z2,z3 の係数の分子はそれぞれ3526=450,53=125.よって期待値は915+2450+31254096=10952048.

総評

難度4、計算量4。1回の試行を右・左・停止に分類すれば、あとは3回の並びを数えるだけである。想定時間は18分程度。x=y の停止確率が 6/16 であること、右へ1歩には R,S,S だけでなく R,R,L も含まれることが主な落とし穴である。期待値は全位置の分布を出す必要はなく、得点が正になる右側の3通りだけを集めればよい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。

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出典: 九州大学 1990年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。